「今日このまま一日を終えていいのか」
という気持ちになることがある。あの設計もやった方がいいかもしれない。AIについてもう少し勉強したいし、AIを使ってシミュレーションも開発したい。
まだ何かをしたい気持ちもあるし、それができてしまう環境でもある。そして、何かに手を付けたら最後、夜更かしになるのである。
会社に勤めていた頃、とくに在宅勤務もなく、出社してしか仕事ができなかったころは、このような気持ちにはならなかった気がする。
会社を出たら仕事はおしまい。家では本を読んだり、漫画を読んだり、あるいはジムに行ったりと、他にやることがあった。会社にいるかどうかが、そのまま仕事とプライベートの切り替えになっていたのだ。
家で仕事をすることには、とても効率が良い面もある。例えば、シミュレーションの待ち時間にちょっとした家事をしたり、一息つきたいときにランニングに行ったり。時間としては自分の思い通りになるし、効率よくしようと思えばいくらでもできるのである。
一方で、「終わった感」がないのが課題である。「今日はこれでおしまい。続きはまた明日」という切り替えが難しい。アイデアを思いついたらすぐにやりたくなってしまい、それをやるといつのまにか午前2時ということもある。
元プロサッカー選手の本田圭佑さんは「環境にこだわれ」という。プロサッカー選手を目指すなら強豪校に行き、「当たり前」の基準を上げる。どのような環境に身を置くかで未来が変わるというのだ。
会社、というのも環境である。仕事をすることでスキルは身につくし、人間関係においても磨かれる。その時間の積み重ねが成長につながる。
会社には拘束時間がある。その時間は仕事をしなければならない。仕事以外を考えなくてもいい。だからこそがんばれたことは大いにある。ぼくも会社にいることでとても成長させていただいたと思っている。
知人がゴールドジムの契約をしたと言う。その方はぼくより年上の女性で、オンラインでしか会ったことはないけれど、華奢な印象の方である。「3日間のアシスタント業務をこなすための体力をつけたい」ということで、週に2回、半年は通うと決めたそうだ。
きっとその方は半年後にはご自身が思い描くように体力がついているだろう。もう、未来が見える感じがするのだ。だってその方はもう、体力がついている未来の道に立っているのだから。
「なりたい姿を描き、その姿になる道の上に立つ」
まずはその道の上に立つ。
道を歩くことは大変かもしれない。けれど、まずはその道に立つ。これが何よりも大事なことなのだ。なりたい自分がいたらその道の上に立ってみる。歩いてみるのはその後考えればいいのかもしれない。
会社という環境も、「なりたい自分になるための道」という側面はあるし、それこそ「その道になっている」ことが会社の価値になる未来も近いのではないかと思うのだ。

ひまわりがきれいに咲いていました。
