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【今週の気づき/242】馴染むという要素を

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前職を退職してから丸4年が経った。

この4年間は、振り返ればあっという間な気もするけれど、その道中を考えるとえらく長いような気もする。そして忘れがちなのだが、いまも現在進行系でその道中にいる。

先週の金曜日、前職の課の飲み会に2次会から参加させてもらった。きっとぼくの知らない人もいるだろうし、どんな反応をされるのかと少しばかり緊張していたのだけど、行ってみたらなんてことはない。快く受け入れてもらったし、自分でも驚くくらい自然に入れた。顔馴染みの人がいて、お馴染みの会話になる。時が戻ったようなそんな感覚である。退職したあとも受け入れてくれ、関係を保ち、気にかけてくれる。とてもありがたい。

プライベートの話題もあったけど、基本的な話題は仕事関係である。

現在の課題、悩み、葛藤。そしてどうしていきたいのか、どんなことがやりたいのか、なにができるのか。

事業部の空気感、後輩が直面している葛藤。懐かしさもあり、羨ましさもあり、そしてなにより頑張っている人の話を聞けるのはいいものである。

組織の中にいたときには「組織なんて窮屈なだけだ」くらいに思っていたけれど、「なんかやっぱり組織っていいよな~」「組織の中だからこそ磨かれることってあるよな~」ということを感じていた。

すっかり涼しくなった夜のなか、まだ自分は馴染めるんだというどこか安心感を覚えながら帰路についた。「あの人たちに自分ができることはなにかないだろうか」そう考えながら。

レンタル移籍

ふと「サッカーと同じように、会社もレンタル移籍ってできないだろうか」と思いついた。企業のなかでくすぶっている人はいる。一方で人材を求めているほかの企業もある。それを解決できないだろうか、しかも所属自体は変わらずに。そうすれば、恐れを取り除いた挑戦の場がつくれるのではないか。

めちゃくちゃいいこと思いついたと思っていたけれど、Geminiに聞いてみたら、すでにそうしたサービスがあった。その企業のHPから問い合わせをして、今週Web会議の機会をいただいた。

サービスを知るほどに、「5年前に知っていたら!」と思えるものだったし、フリーで活動するなかで感じていたこと「ベンチャーはやりがいと裁量権があるけど、報酬に課題がある」という問題を解決するものだった。まさに三方良しならぬ、四方良し(送り出し企業、受け入れ企業、個人、サービス提供会社)ではないか。

応対してくれた方が言っていた「企業の文脈に乗せる」という言葉が心に残った。

どんな商品もサービスも、相手が受け取りやすい形に整えているから受け取ってもらえる。新しすぎるものや奇抜なものは受け取ってもらえない。だから相手の馴染みのある形に整えてあげる。相手が「あ~、そういうことね」となるように。文脈という言葉を、ぼくは馴染むというふうに解釈している。

馴染む

「馴染む」を英語に訳してもらうと「fit in」と出てきた。たしかにfit in的なニュアンスもあるけれど、馴染むとは、色が混ざるような、溶け込むような、そういうニュアンスをぼくは感じている。fit in ではお互いに形を変えていない印象だが、馴染むはお互いに少し形を変えているように思える。

「新しいことをやろう、挑戦しよう」と思うと、奇抜なことや突拍子もないことを考えがちだ。でも、馴染む要素はやっぱり必要なんだろう。自分が馴染めたらうれしいし、自分に馴染みのあるものは安心感がある。そして馴染むにはある程度の期間も必要だ。

「すぐに、新しいものを」となりがちな自分の思考に「馴染む」という要素を加えたいものです。