【今週の気づき/271】身の回りを好きになる力
少し前に、ある人と話したときのこと。
その人は、転職前後で住んでいるアパートは変えていないと言う。曰く
「自然もあるし、終着駅だし、電車に乗れば都心にも行きやすい。もう、ここ以外に住めないんですよ!」
とのことだった。
「もうここ以外住めない」
その気持ちすごくわかる。
また、ある人は、
「近くに公園もあるし、会社にも行きやすい。家賃も安い。もう8年以上住んでいるし、引越しも考えていない」
という。
さらに別の人は、
「会社まで徒歩で行ける。都心なのに家賃も安い。ここ以外は考えられない」
とのこと。
かくいう自分も、
「隣に川があって、その川では蛍が見れる。松本駅までは歩いて10分。日当たりもいいし、山の見える景色もいい。こんな掘り出し物みたいな物件は他にない」
と思っていた。
こんなにもみんな、自分の好みにぴったりの物件に住んでいるものなのだろうか。引越しなんて人生で何十回もするものでもないし、数回の引越しだけで、自分の好みにドンピシャの物件へたどり着けるとは思えない。
どちらかというと、住んだ後に、その物件や地域を好きになっているのではないだろうか。
なぜ人は、自分が住んでいる場所や家を好きになるのか。
もちろん、これまでの人生のなかで、どうしても好きになれない物件もあった。道路がうるさい。隣の家の声が丸聞こえ。虫が出る。
ただ、そうした「どうしても許せない欠点」さえ避けられれば、人は住んでいる場所を好きになっていくのではないか。
「住めば都」という言葉がある。
この言葉の真意は、場所の良し悪しを指すのではなく、「自分には、身の回りにあるものを好きになる力がある」ということではないだろうか。
そしてその力は、土地や場所、モノに対してだけではなく、人に対しても同じことが言えるのかもしれない。
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新しい家に住み始めて2週間。ぼくは早くも、この場所を好きになりかけている。
駅が近くて、電車を“自分の足”の感覚で使えること。
飲食店が多く、お店の探索が楽しみなこと。
窓からの景色がよく、運が良ければ富士山が見えること。
多摩川まで走っていける距離感。
自分の生活スタイル(家で仕事をすること)に合った間取り。
徒歩1分のスーパーでお昼にお弁当を買える手軽さ。
住めば都。
また引越ししても、きっと大丈夫だと思いつつ、
このいま見えている部屋の中の光景や、窓から見える景色も、いつか懐かしく思い出す日が来るのだろうかと、ちょっぴりさみしくも思っている。

