【今週の気づき/274】実年齢に追いつく
最近は、自分の老いに触れることが増えた。
鏡に映る顔、腕の肌のハリ、首のシワ。
明らかに自分が老いていっているのがわかる。それなのに、自分が44歳だということには、まだ気づいていない気もする。どこか30代前半くらいの感覚でいるフシがある。
思えば30歳になったときに、「もう30歳かあ」なんて感慨深くなっていた。30歳になれば、もっと大人になっていると思っていた。仕事はバリバリにやり、精神的にも成熟し、歩行者信号が点滅しても走って渡ることはないと思っていた。しかし、いまの自分はどうだろう。仕事はまだ下っ端精神が残っているし、横断歩道も走って渡りまくりである。
あの頃は「思っていた30代じゃないな」なんて思っていたが、40代にもなると「思っていた40代になれるわけない」と、どこか諦めのような気持ちもある。20代の頃に思い描いていた40代になれるわけがないと、当たり前のように思っている。
80代の母と話したときのことだ。母が、「おばあさんと思われることに抵抗がある」みたいなニュアンスのことを言っていた。
見た目はもう、アニメに出てくるような模範的なおばあちゃんである。「母もおばあちゃんになったんだな」と時間の経過に思いを馳せていたこともあるくらいだ。
それでも本人は、まだ60代くらいの感覚でいるらしい。老人やおばあさんと思われることに抵抗があるというのだ。
人は、自分の年齢に追いつくことはないのかもしれない。
先日、友人とご飯を食べに行った。お互い40代になったいま、時間の経過の感覚はどうよ、という話をした。
『0歳から20歳までに感じる時間の長さ(体感時間)と、20歳から80歳(または100歳)までに感じる時間の長さがほぼ同じになる』と言われる。「お前、そう感じる?」と聞いてみた。
「おれは、20代も30代も同じくらいの長さに感じているわ」
その友人は、新卒で入った会社を5年であっさり辞めた。「これからは教育だわ」と言って大学に通い直し、その後はイギリスで教師を務め、いまは家業の経営を継いでいる。人生を3倍くらい楽しんでいる人だ。
「やっぱり、新しいことに挑戦するってことだよね」
そんな結論に至った。
思えば10代の頃は、3年で中学や高校を卒業する。周りの環境も友人もガラッと変わる。いま考えてみると3年周期で周りのすべてが変わるなんて、ものすごい変化のスピードである。
3年や5年で環境を意図的に変えていく。
それが、人生をたのしむコツなのかもしれない。

