自己紹介が苦手である。

エレベーターピッチ。インパクトプレゼンテーション。この手のものは、うまくいった試しがない。これまで手応えを感じたことがないし、この先、手応えを感じる日が来る気もしない。

商売として仕事につながるようなアピールができればいいという下心もある。一方で、その下心全開でアピールするのも、どこか気が引ける。

なにを言おうかとあれこれ思案した結果、微妙にアピールするような、中途半端で無難なことを言ってしまう。その結果、誰の印象にも残らない。いつものパターンである。

自己紹介タイム

木曜日、大学が主催する産学連携の交流会に参加した。研究発表のあとは立食形式の懇親会があり、参加者は50名ほどであった。

主催者の方から

「ひとり30秒ずつ自己紹介をお願いします」

と案内があった。

出た。自己紹介タイムだ。

立食しながらマイクを回し、ひとり30秒ほどで自己紹介をしていく。会社について話す人。事業について話す人。なにをやっているかについて話す人。笑いを取る人。様々である。

ぼくが話したのは、こんな内容だ。

光学設計をフリーランスでやっていること
光学で困りごとがあれば協力できること
フリーランスなので気軽に声をかけてもらっていいこと
「光学は簡単である」を広めたいと思っていること

話しながら周りを見ていると、立食中ということもあってか、多くの人は近くの人と話をしていて、あまり聞いているように思えなかった。ただ、目の前の人はうなずきながら聞いてくれていて、最後はその人に向けて話をしていた。

こういう場面で、うなずきながら聞いてくれる人は本当にありがたい。今回も、無難で印象に残らない話をしたという自覚がある。

アピールではなく開放

いい加減、自己紹介ができる大人になりたいと思う。

自己紹介の目的は、覚えてもらうことなのだろう。思い返してみると、ぼくが覚えているのは、アピールがうまかった人ではない。ぶっちゃけ話をしてくれた人、自己開示をしていた人、笑いをとっていた人のほうだ。

つまり、腹を見せてくれた人のことを覚えているのだ。

アピールする人は、どこか腹を見せていない感じがする。
逆に、アピールしない人も腹を見せていない。

初めましての人が大勢いるなかで、どれだけ開放できるか、どれだけ無防備になれるか。

自己紹介は、アピールではなく開放。

またひとつ、自分の課題が見つけられて、少しだけウキウキしている。