今週の気づき PR

【今週の気づき/202】広告とスマホと北風と太陽

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「駅や街から広告がなくなったほうがいい」

ぼくは就活のときの面接でそう言ったことがあった。面接官に「どんな未来をつくりたいですか?」という質問を受けたときの答えだ。

駅のホームにある看板は本当に必要なのだろうか。広告の効果はあるのだろうか。もし効果がないのだとしたら無くしたほうがスッキリするのではないか。これらの看板がなくなったら駅はどんな景色になるだろう。駅だけではなく、街から看板がなくなったらどんな景色が目に飛び込んでくるのだろう。

広告看板がない街っていいものじゃないだろうかと、そんな想像をしていた。

面接を受けた企業はディスプレイを作っている会社で、広告をなくすこととディスプレイを関連づけて話をしたと思う。「広告をディスプレイにして景色に溶け込めるようにしたらいいと思ってます」。面接官の反応は思いのほか良かったことを憶えている。

街の広告

今週、東京を歩いていたら、駅の広告看板に空きがあることに気づいた。人通りもそれなりにある、急行の停まる駅である。

あのとき面接で語ったこととは別の形で街の広告がなくなり始めている。その大きな要因のひとつはスマホの普及だろう。

たとえばぼくがあのとき面接を受けた企業に入ったとして、ぼくが本気で街から広告をなくそうと思い、開発をがんばったとしても、うまくいかなかっただろうと思う。どんなに街の景観について訴えても、どんなディスプレイを開発しても難しかったのだろうと思う。

街の広告を直接なくそうとするのではなく、街の広告がなくても大丈夫なようにするのである。

なにかを変えたいと思うとき、直接変えようとがんばるよりも、変わっても大丈夫な状況をつくるためにがんばるほうが、きっとラクなのだろうなと思うのだ。

スマホ広告

それにしてもスマホで記事を読んでいるときに画面にいっぱいに現れるあの広告、何とかならないものですかね。画面にちっちゃく出ているバツマークを押すのは苦労するし、うまく押せなくて広告に飛んでしまうことが苦痛であります。

きっとこの問題もどこかの企業が、スマホで広告を出さなくてもいいように、がんばってくれている、かもしれませんね。