マネジメント研修を受講した。
とても学びの多い研修だった。とくに印象に残った内容は以下の3つである。
「組織の達成を追うのではなく、部下の育成を追う」
「結果に期待するのではなく、成長に期待する。成長への期待を伝える」
「組織の目標とは、部下それぞれが自らの目標を設定するための情報提供である」(この情報から部下がどんな目標を設定するかは部下の選択)
簡単に言えば、あくまでも部下が主体ということだ。
なかでも、フィードバックのロープレや、1on1でのロープレはやってみてわかることがたくさんあった。
「ふむふむ、そうか。こうやればいいのか」
やり方がわかれば自分にもできる気がしてくる。ロープレもしている。実際に試してみたくなる。早速息子(小6)で実践である。
息子とのやりとり
息子は学芸会で無事に主役7人のうちのひとりになることができた。しかし、あまり練習に身が入っていないという。これは息子を導くチャンスである。
まずは承認と事実確認である。
「主役になれたんだね!おめでとう!お父さんはなにが嬉しいかって、手を挙げたことだよ。手を挙げるのって勇気がいるよね。よくオーディションもやったね。すごいよね。どうして手を挙げられたの?」
「なんかやってみようかなーって」
「オーディションどうだった?緊張した?」
「緊張したけど、もうどうなってもいいやーってでかい声出した」
「いいね、そういう気持ち大事よね。本番はいつだっけ?」
「確か11月の2週目くらいかな~」
「11月の2週目ね。あと1ヶ月くらいだね」
次はなりたい姿の共有だ。
「そこで君は本番が終わったあと、どうなってたらめっちゃうれしい?」
「みんながわーってなってたらうれしい」
「そうだね。そうなってたらいいよね!じゃあさ、君はどんな芝居したい?」
「セリフもちゃんと覚えて、棒読みじゃない感じでできたらいいかな」
「確かに、そうなったらいいよね!いまはどんな練習してるの?」
「寝る前に読んだりしてるよ」
「読んだりしているんだね。ええやん。いまの練習を続けてさっき話したみたいになれそう?」
「んー、なれないかも」
ここから提案である。
「そうか。なんか不安とかある?」
「うん、不安あるね」
「オーケー。不安なんだね。不安を少なくするには計画を立てるといいと思うんだけどどう?」
「ああ、計画ね。たしかに」
「計画立てるといまなにすればいいかわかるから安心するよ。計画立ててみるか!」
「・・・・いや、いいかな」
あれ?
「んーじゃあ練習するか!」
「・・・・」
「不安を減らすには練習だよ。練習しようぜ」
「いや~、いまはいいかな」(動画見る)
「動画見てたってできるようにならないよ、1回でいいから練習しよ!」
「いや、そういうのいいから」
「じゃあ、お父さんにどうしてほしい?」
「そうやって変に首突っ込まれるのが嫌かな。協力してほしいときだけ協力してほしい」
さて、明らかに失敗である。せっかく勉強したのになぜうまくいかなかったのか。まず思いつくのは、息子にこうあってほしいという親としての気持ちの存在である。
「本番の舞台で輝く息子」という結果を、期待してしまう自分がいる。そしてそのためには、いまの息子の練習では足りないと思ってしまう。だから練習をさせようとしてしまう。
相手が主体と頭ではわかったつもりでも、つい相手をコントロールしたくなってしまう。きっとこの心が息子に伝わったのだろう。
ChatGPTに教わるマネジメントの姿勢
そんなときふとChatGPTを開いてみるとこんな一文があった。
「お手伝いできることはありますか?」
なんてやさしい言葉だろうか。
相手を主体にしつつ、自分にできることを聞いてくる。相手をどうしてやろうという意図は感じず、それでいて困っているなら助けたいという意思はある。自分にできることは「手伝い」でしかないという謙虚さはありつつ、しかし決して消極的ではない。
あなたが困っていることを解決するために、お手伝いできることはありますか?
あなたが得たい未来のために、お手伝いできることはありますか?
あなたの心を軽くするために、お手伝いできることはありますか?
マネジメントでも子育てでも、必要なのは自分にできることは「手伝い」であると認識しながら、それでも積極的に人に関わるという姿勢なのだ。
尋ねたぶんだけ
相手を主体にしつつ、自分にできることを考える。
言うのは簡単だけど、すぐにできるようにはならないもんですよね。
相手から「手伝えることはなにもない」と言われることもあるだろう。提案が受け入れられないこともあるだろう。多くは空振りに終わることになるかもしれない。それでも「お手伝いできることはありますか?」と尋ねる。これができた回数ぶんだけ、自分も成長できると思うんですよね。
そんな関わりができる人がステキだと思うし、自分もそういう人になりたいと思ったという、今週の気づきでした。