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【今週の気づき】「続ける」ということ

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【今週の気づき】とは、社内風土改革と称して勝手に始めた社内メルマガ(執筆は業務時間外)の内容を、社外秘を含まないよう一部加筆修正してブログ化したものです。

「継続は力なり」
という言葉があるように、続けること、継続することは大事だと言われる。僕は続けるのが得意な方だと自覚している。筋トレ、瞑想は2年近く続いている。また、入社して5年くらいは、朝7時半に出社して1時間は自己啓発にあてていた。小さな努力を続けるのがわりと得意である。
一方で続けるのが苦手だという人もいる。そういう人は続かないことに悩んでいるようだ。続けるのが得意な人と苦手な人。この違いは何なのか。今週は、続けることについて考えてみようと思う。

続かないのは「やめ上手」だから

元プロ野球選手(巨人)の緒方耕一さんが書いた『勝利に導くスチール&ラン!』という本を何年か前に読んだ。その中に以下のようなことが書かれていた。

盗塁のうまい選手は、盗塁をやめるのが上手な選手である。

盗塁はピッチャーが投球モーションに入った瞬間にスタートを切るのだが、盗塁が下手な選手はスタートが悪いと思っても、そのまま走り続けてアウトになってしまう。そして、次からはアウトが怖くてスタートが切れなくなる。
一方で盗塁の上手い選手は、スタートが悪いと思ったときに元の塁に戻る技術を持っている。無理だと思ったら戻れる技術があるからこそ、迷わずにスタートが切れるのだ。

これと同じように、続けるのが苦手だという人ほど、フットワークが軽く、色々と新しいことに挑戦していたりするもの。やめるのが上手だから始められるのである。しかし、やめる数が多い分、何事も続かないと自信を無くしてしまっているように思う。
一方で僕は続けるのは得意だけど、やめることは苦手である。やめるのが苦手なので、新しいことに挑戦する数も少なくなっているように思う。考えてみると、今続いていることもようやく重い腰を上げて続けているのである。

そんな僕からしてみると、フットワーク軽く色々と挑戦している人を羨ましく思ったりもする。「続けられない」という人は、少し視点を変えてみると、「新しいことを始めること」を続けているとも言える。

続けるためのコツ

今回はここで終わろうかとも考えたのだけど、
「いやいや、そんな気休めはいいから、続けるコツを教えてくれ」
という人のために、僕なりに続けるためのコツを考えてみた。少し長くなるが、もし何か続けたいのであれば参考にしてみてほしい。

手段を目的化せよ

一般的に、手段が目的化することは良くないと言われる。
「それは手段のひとつであり、目的じゃないよね」
と鬼の首を取ったように言われて、ぐうの音も出ずに悔しい思いをしたことがあるのは僕だけではないはず。しかし、続けることに関しては、手段を目的化することがポイントとなる。続けるためには、続けること自体を目的にするのである。

これは僕の仮説だが、人間は階層構造を頭の中で考えるのが苦手だ。考えられても2階層、目的と手段の2階建てまでである。それ以上の階層を考えるには、紙などに書き出して頭の外で考える必要がある。しかし、日常でいちいち書き出したりしない。だから目的の手段の手段(3階層)まで考えると、2階層目の手段は目的と認識されてしまい、手段が目的化されるという事象が起こるのだろう。

続けるためには、この性質を逆手に取る。続けること自体を最優先事項にして目的とするのである。そうすると、1階層下の続けるための手段が思いつきやすくなる。だから何のために続けるのかという目的は忘れて良い。むしろ忘れた方が良いのである。どういうことか。ランニングを例に説明しよう。

①ノルマを変えやすくなる

よくあるのが夏までに5kg痩せるという目的を決め、そのために、1日3km走るノルマを設定するというもの。しかし、いざやってみると3kmは辛い。3日目には走りたくなくなり、やめてしまう。ところがこのときに、続けることを目的としていれば、「だったらノルマを変えればいい」と考えられる。「続けることが目的なのだから50mでもいいじゃないか」と。

「いやいや、それじゃ痩せないでしょ」
と思った方。まだ手段を目的化できていない。続けることが目的なのだ。もはや痩せることなどどうでもいい。続けるという目的を達成できれば、1日に走る量など誤差なのである。むしろ3kmにこだわるがゆえに続かなくなる方がもったいない。

②環境を最適化しやすくなる

ランニングするときの最初のハードルはランニングウェアに着替えることだろう。人間はこうした小さなハードルに非常に弱い。小さなハードルは続けるうえでは大きなハードルとなる。痩せることが目的のままだと、こうしたハードルがあると別の手段を考えてしまう。

「今日はあまり食べないようにするから走らなくてもいいか」
などと考えたことはないだろうか。しかし、続けることを目的にすれば、続けるための手段を考えるようになる。環境を最適化するのである。例えば、夕方にランニングするのであれば、ランニングウェアで出社すればいい。仕事後に帰宅したら、家に入らずにそのまま走ればいいのだ。

「夏場は短パンで走りたい。でも短パンでは出社できないじゃないか」
という声も聞こえてきそうだが、続けるのが目的であれば手段なんていくらでも考え出せる。会社で着替えてもいいし、短パンで門をくぐるのが恥ずかしければ短パンの上に長ズボンを履けばいい。それじゃあ余計暑いというのであれば、最悪、短パンで勤務できる会社に転職してもいい(最悪ね)。何度も言うが続けることが目的なのだ。

③満足感を得やすい

痩せることが目的のままだと、なかなか痩せないことにモチベーションが下がる。一方で続けることを目的にすると、続いたということで満足感を得やすい。この満足感の積み重ねが続けるための活力になる。そして、続けることによって見えてくる楽しさにも気付くようになる。これは精神的な話だが、結構大きなことだと思っている。

以上が続けるためのコツである。続けるためには、「続けるという手段を目的化すること」が重要だとわかっていただけただろうか。この投稿が何かを続けるためのきっかけになれば、こんなに嬉しいことはない。至福の喜びである。

ということで今回はこれで終わろうと思う。長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後に、こんなにランニングのことを書いておいて大変恐縮ではあるが、僕はランニングが続いたことはない。