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【今週の気づき】成功と失敗のあいだ

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【今週の気づき】とは、社内風土改革と称して勝手に始めた社内メルマガ(執筆は業務時間外)の内容を、社外秘を含まないよう一部加筆修正してブログ化したものです。

成功とは何か。失敗とは何か。
「成功とは失敗しないこと」と言われれば違和感を持つ。でも「失敗とは成功しないこと」と言われると「確かにそうかも」とも思う。成功と失敗は表裏の関係であるようでいて、表裏の関係でもないような、何か釈然としない。成功と失敗の間には見えていない何かがありそうだ。では何があるのか。成功と失敗の間について考えてみた。

きっかけ

水曜日の朝、起きてまず思ったことは「またやってしまった」だった。ご飯を炊き忘れたのだ。ご飯は毎朝炊いているのではなく、炊くときは3合炊いて茶碗一杯分ずつ小分けにして冷凍している。すると6食分になる。その冷凍したご飯を毎朝解凍して食べるのだが、冷凍ご飯が火曜日の朝に無くなったのを確認していた。だから水曜日はご飯を炊かなければいけない日だったのだが、炊き忘れたのだ。そのことを起きぬけに思い出し、「またやってしまった」と思ったのが経緯である。「また」と付いているのは何度か炊き忘れをしているからだ。

同じ失敗は繰り返してはいけない?

「同じ失敗を繰り返してはいけない」と耳にすることがある。ほとんどの人が頷く言葉だと思うが、僕はこの言葉がちょっと苦手である。そもそも人間は同じ失敗を繰り返すものだと思っているし、物事の一面しか見ていないように思えてしまう。それにちょっと窮屈だ。「ご飯を炊き忘れた」ということだけを見れば同じ失敗をしたことになる。「同じ失敗をするな」という人からすれば糾弾したくなる対象だろう。しかし視点を変えてみるとまた違った見え方になってくる。

頻度や期間という視点

その視点とは、頻度や期間という時間軸だ。確かに「ご飯を炊き忘れた」という事象だけを見れば同じ失敗を繰り返しているように見えるかもしれない。しかし、これまで何も工夫をしてこなかったわけではない。例えば、最後の冷凍ご飯を取り出したとき同時に炊飯器のお釜を外に出すようにしていた。夕方や夜に、ご飯を炊かなければいけないことを忘れてしまっていても、台所でお釜が出ているのを見ると思い出すことができるのだ。このちょっとした工夫により、炊き忘れの頻度は確実に減った。炊き忘れない期間というのも確実に延びた。つまり、頻度や期間という軸から見ると、成功ともいえるのだ。

成功と失敗の間にある成長

人間は失敗するものだ。失敗する/しないで考えるのは窮屈だし生きづらい。失敗してはいけない、同じ失敗を繰り返してはいけないと考えるのではなく、頻度や期間の軸で見てみる。
10回中4回失敗していたのが、10回中2回の失敗になった。
1カ月に1回失敗していたのが、2カ月に1回の失敗になった。
それだけで良いのではないか。同じ失敗を繰り返しているように見えても、頻度と期間の軸で見れば成功とも言えるのだ。
この頻度や期間の視点は言い換えれば「成長」を見ていると言えるだろう。成功と失敗の間にあるもの、それは成長なのだ。ほとんどの物事は成功と失敗の間にある。つまり成長過程なのである。成功しないことを失敗と捉えるのではなく、成長に注目する。成長に注目するためには頻度や期間という視点を持つといい。そうすれば、自分に対しても他者に対しても自然と寛容になれるのだ。