「クリエイティブなことは余白から生まれる」
という言葉を聞きました。
かっこいい言葉ですよね。
僕もこんなことを言えるようになりたいです。
「余白」とは何なのか。何を「余白」というのか。
今回は余白についてちょっと考えてみました。
通勤時間という余白
うちの会社でも選択性の在宅勤務の制度が導入され、
社員が会社に行って仕事をするか、在宅で仕事をするか選べるようになりました。
ではこの在宅勤務によって何が変化したか。
まず考えられることは、通勤時間という余白(無駄)が削られたことです。
往復の通勤時間が無くなったのですから良いことしかない気がしますが、
通勤時間が無くなることでオンとオフの境目が曖昧になりました。
夕方、仕事を終えても、気づいたらまた仕事のことを考えてしまっている。
うまく思考の切り替えができなくて逆に疲れる、ということがあるようです。
実は通勤時間という「余白」がオンとオフの切り替えになっていたんですね。
また、通勤時間では思考の整理やアイデア創出にも役立っていたことを感じます。
仕事中では思考が絡まり答えが見つからなかったことでも、
「帰宅時の移動時間にふと良いアイデアが思い浮かんだ」
こういう経験をした人もいるかと思います。
移動時間というのは、仕事(考える対象物)との距離が離れます。
でも完全に離れたわけではなくて、少し遠いところから課題について考える。
そうすると課題の全体像が見えるようになり、新しい視点からアイデアが出てくる。
通勤時間という余白が、仕事との絶妙な距離感を作っていたのかもしれません。
こう考えてみると、通勤にもいい面があったようです。
無駄を削ってみて初めて無駄に思えていた時間にも意味があったことに気づきますね。
会社の中にあった余白
また、在宅勤務をやってみて感じるのは、
集中するには良いけど、アイデアを飛躍させるには難しいということ。
一人ではどうしても考えが煮詰まってしまいます。
そして、そんな時でもリフレッシュの手段がほとんどない。
会社にいれば、休憩室に行ったり雑談することで、思考の切り替えや新しい視点、アイデアのヒントをもらうことができました。
在宅勤務の課題についてネットで調べたら以下の記事がありました。
アップルの創設者であるスティーブ・ジョブズはリモートワークに反対だったそうです。
Appleの従業員の最高の仕事は、他の人との偶然の出会いから生まれるのであり、
自宅でメール受信ボックスの前に座っていたのではできないと彼は信じていた。
「創造性は自発的な会合や思い付きのディスカッションから生まれる」とジョブズは言っていた。
「誰かに出会い、何をしているのかを聞き、『ワーオ』と反応する。そうすればすぐに、あらゆる類のアイデアをひねり出すようになる」
またある人は、テレビ会議で良いアイデアが生まれない理由を話していました。
オンライン会議で自由な発想が生まれないのは、そこに生じた“間(沈黙)”を無意識で埋めようとしてしまうからだ。
新しい発想やアイデアを生むには間や余白が必要であり、余白があることでクリエイティブ性が発揮できる。
リアルの場では当たり前にあった「雑談」や「会議での間」という余白。
今後はこれらの余白をどうやってオンラインで再現するのか、
又はオンライン独自のやり方を提案できるのか。
テクノロジーで作る新しい価値は、ここら辺がポイントになると個人的に思っています。
削られていく余白
今後さらに効率化は加速し、無駄や余白が削られていくでしょう。
すると、
「無駄だと思っていたものを削って効率化したけど、なぜだかうまくいかない」
そんな場面に出会うかもしれません。
そんなときは
「削った無駄の中に何があったのか」
「重要なものが隠れていたのではないか」
を考えてみるといいかもしれません。
無駄の中に隠れていた価値。
今後この重要性が高まる気がしてます。