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【今週の気づき/035】所有と共有

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例えば、所有欲が全くない宇宙人がいたとして、その宇宙人が人間社会を見たらどう見えるのだろうか? 人間は無駄に所有していると思うのだろうか? ふとそんな思い付きから、所有と共有という視点でものごとを考えてみた。今週はそんな空想から得た気づきを書いてみようと思う。

共有すること

シェアリングエコノミーという言葉が出てきて久しい。シェア、つまり共有しましょうということだ。シェアカー、シェアサイクル、シェアオフィス。「シェア」という言葉をよく耳にするようになった。しかしこれらによって何か生活が変わっただろうか。僕の実感から言うと、ほとんど変わってないと感じる。
なぜならシェアできるようになったからといって、自分が持っているものを手放していないからだ。シェアカーができたから自分の車を手放した人。シェアサイクルができたから自分の自転車を手放した人。シェアオフィスができたから自分のオフィスを手放した人。そうした人は聞かない。
これらシェア商品を、所有と共有という視点から見てみると「一時的な所有権を買ってるだけ」とも捉えられる。要するにレンタルなのである。だから生活に変化がないのだ。

では、共有とは何か。それは貸し借りではなく、みんなのものとすることだろう。例えば、電子書籍の読み放題プランや、音楽の聴き放題プランがそうだ。書籍と音楽をみんなで共有し、共有データへのアクセス権を買っていると捉えられる。決して所有権を買っているのではない。

世界の流れ

また車は95%の時間は駐車場に止まっているらしい。時間にして5%しか使っていないのだ。現在の自分の使用時間を計算してみたところ、今週は0.5%の時間しか使っていない。完全に持て余している。

今後、車は完全自動運転になると世界は変わると言われている。無人稼働タクシーが街を走り、安価に利用することができるようになれば、車を所有する人が減る。車を持て余すこともなくなる。すると、駐車場に使っていたスペース、車に使っていた材料、作ったり走ったりするのに使っていたエネルギー、これらを他のことに使えるのである。実に効率的だ。世界全体を効率化していくことを考えると、世界は所有から共有へ進んでいくだろう。

所有と共有

所有と共有。この価値観は世代間で異なる。僕は書籍は紙の本で購入するし、音楽も曲ごとに購入する。それはまだ所有という概念にとらわれているからだ。

一方で、今の若者は読み放題プランや聴き放題プランに対して何の抵抗もないという。もう若者は共有する世界に住んでいるのだ。
また、小2の息子も YouTube をやりたいと言い始めている。これも、自分という人間を世界に共有しようとしているのかもしれない。

地球全体での効率性を考えると、世界は共有へ向かうはずである。では、所有にとらわれた僕たちは何をすれば良いのか。それは自分という人間を世の中に共有してみることだと思う。自分の知識や経験を世の中に発信してみる。または小さなコミュニティーの中で、ちょっとだけ自分を晒してみる。それが共有する世界へ進む小さな一歩なのだと思う。