今週は、先週の続きのような話。
先週は「なんでそんなことやってるの?」と言われるようなことこそ、自分の強みであり、それを続けることが強みを育てることになる。そういう内容だった。そこで今週は、「なんでそんなことやってるの?」を続けたあとに起こる変化について、書いてみようと思う。
仕事の依頼
先週、ブログのカテゴリー「今週の気づき」は50記事になった。最初に書いたのが2020年の5月17日だったから、約1年間続けたことになる。広告はつけてないので広告収入はないし、なにかの商品を紹介する記事でもないので紹介料もない。このブログでは1円もお金が発生していない。他の人からすると「なんでそんなことやってるの?」と言われるものだ。
でも、これを続けることで、気にしてくれる人が出てくる。内容に共感してくれる人もいる。そして最近、このブログから、いくつかお仕事がいただけそうになっている。さらっと書いてしまったけど、ものすごく嬉しい。こういう変化が起きたのも「なんでそんなことやってるの?」を続けてきたからだろう。そして続けられたのは、読んでくれる人、反応してくれる人、コメントしてくれる人がいたからだ。
赤い洗面器の男
小学生の頃に見ていた古畑任三郎で、赤い洗面器を頭にのせた男の話が出てくる回があった。その男は、ドラマの中に登場人物として出てくるのではなく、登場人物が語る話の中に出てくる人だ。
赤い洗面器の男の話。ある晴れた日の午後、道を歩いていたら、向こうから赤い洗面器を頭にのせた男が歩いてきました。
洗面器の中にはたっぷりの水。男はその水を一滴もこぼさないように、ゆっくり、ゆっくり歩いてきました。
私は勇気をふるって、「ちょっとすいませんが、あなたどうしてそんな赤い洗面器なんか頭にのせて歩いているんですか?」と聞いてみました。
すると男は答えました。
この話の続きは番組の最後で。中浦たか子のミッド・ナイト・ジャパン、午前4時までお付き合い下さいませませぇ
なぜ赤い洗面器を頭にのせているのか、答えはドラマの中で最後まで語られない。理由はわからないままだし、本当の理由はないのかもしれない。でも、当時小学生だった僕は、「なぜだ、なぜなんだ」とその理由を悶絶するほど気にしていた。
犯人が誰だとか、どんなトリックを使ったとか、それらはまるで覚えていないけど、赤い洗面器の男の話は今でも覚えている。そのくらい「なんでそんなことやってるの?」は強烈に印象に残ることだし、さらにそれを続けていたら気にならずにはいられないものだ。
「なんで?」と思ってもらえることは印象に残ることだ。印象に残っていれば、何かあったときに「あいつに頼んでみよう」と思い出してもらえるのかもしれない。
自分の特徴に気づく
僕が「今週の気づき」を始めたきっかけは、栃尾江美さんの「アウトプット相談」に行ったことだった。そのときに、保育園の保護者会役員のときに書いた園だよりの記事を持って行き「自分でも良いこと書いてるなと思って、たまに読み返すんです」なんて話をしたら、「自分の文章を好きになれる人は、アウトプット(書くこと)の才能があります」そう力強く言ってもらえたことが心に残っている。相談後、行動に移すまでに数ヶ月掛かったけど、あの言葉があったから一歩目が出せたのだ。
僕の場合は、周りの人の助けやサポートがあったから、自分の心地よい負荷に気づけた。
でもあとから考えてみると、自分で気付けるチャンスもあったかもしれない。
僕は会社の技術資料はやたらと丁寧に書く。後輩からは「よくそんなに書けますね」なんて言われていた。また、昇格のために渋々書きはじめた社内論文でも、書き進むにしたがって書くのが楽しくなった。講評で「外部に出しても問題ないレベル」の評価をもらったのは、きっと必要以上に手間をかけて書いたからだろう。
「なんでそんなことやってるの?」と、そこまで言われなくても、「よくそんなことできるね」とか「よくやるね」など、感心されたり、ときには呆れられたりするものは誰にでもある。そこに自分の強みの種みたいなものがあるのだと思う。それを少しだけ、形を変えて世の中に出してみる。出す場所を変えてみる。これを続けていると、自分の知らないところで、少しずつ変化が起きているものなのだ。