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【今週の気づき/060】不安の中の楽しみ

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退職日まであと1ヶ月を切った。

1ヶ月後の自分は何を感じているのだろう。この先のことを思うと不安でしかない。しかし、今週、不安の中で少しだけ「楽しみ」になることを見つけた気がする。ということで、今週は「不安の中の楽しみ」についての気づきである。

他部署への提案

今週、僕の所属する事業部にある、新商品提案を受け付ける部署に、ある提案をしてみた。退職者が会社との繋がりを持ち、会社と退職者、双方の知見を組み合わせることでイノベーションを生む仕組みづくりについての提案だ。

近頃、イノベーションを起こすためには「両利き経営」が必要だと言われている。探索を担当する人材と、深化を担当するする人材、この2つが必要だということだ。簡単に言えば、探索人材とは新しい市場を開拓する人であり、深化人材とは既存技術を深めていく人である。成長事業であれば、深化を重点的に行えば良い。しかし成熟し、衰退が見え始めた事業では、深化よりも探索が求められるだろう。深化は社内人材で対応が可能だが、探索の面で、日本の多くの会社は有効な手立てを打ててないと感じている。

僕はこれまで会社に新商品の提案を何度もしてきて(そして却下されてきた)、提案内容を考える上で最も難しいのは社外にある課題に気づくことだ。新しい商品を生むための起点は、誰かの抱える課題や困りごとに気づくことだが、社内にいては、社外にある課題を感じ取ることが難しい。特に、困りごとの本質に通じる小さくて具体的な課題は見えてこない。

社内にいては見えてこない既存市場の外側にある具体的な課題。これを退職者が発掘するといいと考えた。退職者は社外に出ることで、社内からは見えなかった課題に触れる機会が多くあるはずだ。そして、社内の技術的知見も持っている。退職者は、既存市場の外側にある課題と、自社の既存技術をマッチさせるには最適な人材なのだ。会社は自社技術を活かした新市場開拓ができ、退職者は自身の知見を活かして収入も確保できる。これを目指した提案だった。

課題の中に身を置く

今回のような提案を自部門ではなく、他部門にするのは12年の会社生活でも初めてのことだ。きっと、今までであれば、このような提案することはなかっただろう。わざわざ資料にまとめるのは手間だし、相手に時間を割いてもらうようお願いするのも申し訳ない。提案が断られればダメージも残るだろう。

でも、今回は資料作りから提案まで一気に進められた。資料作成時間も充実していた。それは、「考えたいこと」と、「考えるべきこと」が一致していたからだろう。僕が考えたいこと、興味関心があることは、「個人が会社を離れても、個性を活かして働いていける社会をつくること」だ。そして、考えなければならないことは、「会社以外で収入を得ること」であり、「会社を通さずに、社会と自分をどう繋げるか」である。つまり、自分自身が解決したい課題の中に、身を置いている状態なのだ。だからこそ、他部門への提案という、これまでとは違う行動ができたのだし、提案資料を作る時間も充実していたのだろう。

不安の中の楽しみ

9/20の退職日まであと1ヶ月を切った。会社を辞めると考えると、やはり不安である。不安しかないと言ってもいい。でも、この不安こそ、自分が解決したい課題そのものだし、自分が今、その課題の中にいる証拠でもある。解決できれば自分が目指したい社会に近づいたことにもなる。これからは「考えたいこと」を思う存分、考えられる。この事実は不安だらけのこの先で、ほんの少し、楽しみなことである。