前職で新技術の開発をしていたころのこと。
「これはもうどうしようもないかもしれない」という技術課題にぶつかったことがあった。課題は製品の根本的な構造に起因しており、一向に解決の糸口が見えない。開発を諦めかけたとき、つい数ヶ月前に参加した学会で発表された技術を思い出した。まったく別の用途に用いられていた技術だけど、使えるかもしれないという予感があった。半信半疑で応用してみたところ、お手上げ状態だった課題をうまく解決できてしまった経験がある。
「たまたま行った学会で得た知識で解決するなんて」「学会に行ってなかったら終わってたじゃないか」「まるで綱渡りだ」そんなふうに思い、変なところで「つながる」もんだと、不思議だった。
知識のつながり
最近は、これに似た現象が身のまわりで起き始めていると感じている。どういうことかというと、ある企業さんに関わることで学んだ知識が、他の企業さんに応用できるという事象が頻繁に生じているのだ。
もう少し具体的に言うと、社長さんの想いを見える化・言語化する仕事のなかで学んだ社長さんの考え方や、ものごとの捉え方が、他の企業さんへ価値提供するときにすごく役に立っている。
たとえばミッション・ビジョン・バリューの考え方が、他の企業が大切にしたいものを言語化するときに役に立ったり、具体と抽象という軸でものごとを捉える思考法が、他の社長さんの考えを整理するときに役に立ったりだ。
まさに、先月学んだことが、つぎの月に活かせている。知識の自転車操業。綱渡りみたいなものだ。
知識の深さ
インターネットが生まれてから、社会に情報があふれ返っていると言われる。スマホを見さえすれば簡単に知識やノウハウも手に入る、と思ってしまっている。でも、本当はそんな表面的な知識の広がりよりも、知識の深さこそが求められているのではないだろうか。
ぼくはまだまだ、知識の深さがあるなんてとても言えないけれど、それでも社長の考えを見える化するために読んだ本の知識や、その知識を言語化(アウトプット)することで多少は学びが深まったという自負はある。
いま、ぼくが提供している価値は、「わかりやすく表現する」ことであるけれど、「仕事を通じて学んだことを、相手が求めている形に整える、受け取りやすく加工する」、これができるとさらに価値が高まるのだろう。
そう考えると、いまこの瞬間にどれだけ学べるかが、自分の提供価値に直結するのであり、自己成長が提供価値につながるのだなあと当たり前のことを実感するのである。
知識の循環
ぼくは学ぶことが好きな方だと思うし、好きでよかったと思う。いまは企業さんから求められるものを提供し、学びを得て、その学びを他の企業さんで活かしている状態だ。自分がハブになっているとも言えるけど、自分がボトルネックになっているとも言える。
まずは、この学んだ知識をスムーズに循環させられるように経験を積んでいきたいと思う。そして、いつの日か、個々人の「学びの循環」が相互に組み合わさることで、社会のなかに価値が増えていく。そんな世界をみてみたいとも思う。
今週のいちまい
昔ながらのカフェで、昔ながらのプリンを食べた。昔ながらの甘さ控えめな味で、昔ながらの固さのプリンでした。
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