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【今週の気づき/127】値上げと成長

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「いやあ、先週はごめんね~」

お店に入るなり、そう言われた。行きつけの定食屋さんを訪れた際の出来事だ。先週久しぶりにお店に寄ったのだけど、そのときお店は閉まっていた。お店の周りを見まわしてみたところ、大将と女将さんがなにやらお店の外で作業をしていた。近づいて声をかけると、「ごめんね~、今日はやってないんだよ」「ああ、そうなんですか、また来ます」という会話をしたのだった。

それで今週、仕切り直してお店を訪れたときに言われたのが冒頭の言葉だ。

値上げ

「凍結しちゃったんですか?」
「そうなんだよ。こんなのはじめてだよ」

そんなやり取りをしながら、ふとお店のメニューを見ると新しくなっていた。

「メニュー新しくなったんですね」
「そう、12月に値上げしてね。ごめんね~」

大将は「ごめんね~」と言いがちだ。いつも何かと謝る。

「そうなんですね。値上げしたほうがいいですよ」
「常連さんはそう言ってくれるだよね~」

という話をしたとき、この会話は2回目だなと思い出す。

何ヶ月か前のこと、大将は物価の上昇を嘆いていた。食材の値段はもちろんのこと、揚げ物に使う脂の値段も上っているということだった。大将のお店ではとんかつを揚げるのにラードを使っている。その脂の値段がどんどんあがっているらしかった。正確な金額は忘れたが、何倍にもなっている、という話をしていた。「もう大変なんだ」と。

「それは値上げしたほうがいいですよ」
「常連さんはそう言ってくれるんだけどね~、なんだか上げるのも申し訳なくて」

そんな会話をしたのを思い出した。ほぼ同じ会話だ。

自分が利用するなら、もちろん安く食べられたほうがうれしいけれど、自分の好きなお店が無くなるのはさみしい。だから、経営が厳しいなら値上げしてでも残ってくれたほうがいい。

そんなことを思い返しながら、どのくらい値上がったのかを改めて見てみる。いつも注文するロースカツ御膳のメニューに書かれた金額は1350円だ。たしか以前は1080円だったから、300円近い値上げだ。なかなか大将も思い切ったと思いつつ、そのくらい厳しかったのだろうとも思う。

ぼくはいつもどおりのものを、いつもどおりの言い方で注文した。

「じゃあ、ロースカツ御膳の小ライスで」

値付け

個人で仕事をする上で、最初に悩むのは値付けだろう。自分の仕事がいくらなのか。自分の価値はどのくらいなのか。どうやって値段を決めたらいいかわからない。だからどうしたって安く見積もってしまう。

ぼくも昨年はじめて見積もりを出したとき、「こんな金額を出していいのだろうか」とビビりながら提出した。しかし今になってみれば、「安かったなあ」と思ったりもする。「あれじゃあ、全然生活できないじゃないか」と。

いま同じ仕事を依頼されたときには、いただきたい金額を提示できるようになってきていると思う。これは1年を振り返ってみて、自分の価値を認識できつつあるということだし、成長したと言える部分だ。こうして成長できたのも、発注してくれるお客さんがいてくれるおかげであり、アドバイスしてくれる方がいたおかげだ。

値上げができるというのも成長なのだ。

お会計で

お会計のとき、大将はまた「ごめんね~」と言ってきた。長年同じ金額でやってきたから、まだ新しい値段になれていないのかもしれない。「おいしかったです。また来ますね」と返事をする。

お店を出たあと「自分はどうだろうか」とふと思う。

自分はお客さんに、「大谷との仕事が無くなるくらいなら値上げしてくれたほうがいい」と思ってもらえているのだろうか、と。

そう思ってもらえるように、目の前の仕事に向き合うってものですね。


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