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【今週の気づき/184】スキルのち個性

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もしかしたらこの考えは今後変わるかもしれない。

何年か前の、本だったか、Web記事だったか、SNSの投稿だったか、そこにこう書いてあった。「スキルはどこまで高めても代替可能である。たとえばプログラミングができたとしても、世界一にならなければ代替できる。代替可能なものは価格競争になる。一方でその人個人の性質は代替できない。代替できない仕事をするためには、性質を生かす必要がある」

読んだときにとても共感したのを憶えている。そのころから、自分の性質はなんだろうか。代替できない人材になるためになにをすればいいか。スキルではなく性質(個性)で仕事をするにはどうしたらいいか、と考え始めた。

性質でする仕事

会社を辞めてからは、スキルではなく性質で仕事をすることを意識していた。求められることであればスキルが不足しようが応えようとした。プレゼン資料をつくったり、コラムを書いたり、企業理念をつくったり。参考資料を買い、どうすればよりよいアウトプットが出せるのかを調べて実行した。そうするなかで自分の性質というものもぼんやりと見えてきた。

「大谷さんだとなぜか話してしまうんですよね」と言われて、もしかしたら話を聞くことに個性があるのかもしれないと思ったり、「短時間で難しい内容をよくまとめてくれた」と言われて、その人自身が言語化や図解化できていない内容を言葉や図などの形にする、翻訳になにかあるかもしれないと思ったり、「自分の代わりに聞きにくいことを訊いてくれて助かる」と言われて、わからないことをわかるようにする(理解する)ことに、求められる性質があるかもしれないと思ったりした。

一方で思うのは、これらの性質だけではお金になりにくい現実があるということだ。自分の特徴や個性だけでは商品にならない。商品にしたとしてもアウトプットがはっきりしない。曖昧なものに人はお金を払えないのだ。そしてさらに、これらの性質だけでは人の役に立てている実感が持ちにくい。なにかに貢献できているという実感がないと、充実を味わえないものなのだ。

人の役に立てているという実感を持ち、さらに相手に喜んでお金をお支払いいただくには、やっぱりスキルは欠かせないのである。性質や個性は、スキルあってのものなのである。そう感じる体験をした。

スキルが活きる場所

今週、ある光学メーカーさんと面談の機会をいただいた。そこで語られた内容は、ぼくにとって馴染みのあるものだった。収差、プロファイル、フラットトップ、回折限界。レンズ枚数。

そのメーカーさんでどんな製品をつくり、そこにどんな課題があるのか、その場所で自分がどんな役に立てるのか。これらがイメージできた。イメージできたのはスキルがあるからである。

まずはスキルから考える。スキルで役に立つことを模索する。そのあとで、オプション的に自分の性質を活かすことを考える。この順番が大事なのではないか。

スキル ✕ 性質 = アウトプット

ビジネスではアウトプットに対して等価交換が行われるのであるから、スキルが大事なのは当然のことである。このことにやっと気がつきました。

スキルのち性質

自分がもっとも得意とするスキルで役に立てる場所を確保すること。そのあとに、性質で役に立てる場所を探すこと。この順番をまもりつつ、スキルが役に立つ場所と性質が役に立つ場所の2つを確保できたら、幸福感は高くなるんじゃないかと思っています。