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【今週の気づき/189】ベストではなくても

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「なるほど、そういう意味もあったのか」

フリーランスになり、いろいろな企業に関わらせていただき、その企業の運営に触れるなかで気づくことがある。それは、前職で勤めていた企業の仕組み、慣習、文化が持つ意味や効果についてである。

大きな組織のルール

例えば、目標管理という制度。目標管理シートというフォーマットにそって、向こう半年でめざす成果やそのために必要なタスクや行動を記し、半年が終わった時点でどのくらいできているか評価する。

目標管理シートをつくるのは、なかなかに面倒な作業である。しかもやる仕事は暗黙のものとして決まっている。評価だって、普段の進捗を見ていればわかる。わざわざ時間をつくって書いて評価することにどれほどの意味があるのか。

半年ごとに目標を立てて筋道を描くこと。その道通りにことが進んだのかを振り返り、改善点を見出すこと。自分の成長を確認すること。確かにこれらの効果を感じられる。大事なことだとも思う。でもこの運用方法がベストだとは思わない。もっといい方法があるような気がする。

他にも、週の進捗会。週報のフォーマットがあり(やったこと、わかったこと、次にやること、の3つ)、進捗会前に記入する。進捗会ではその週報をもとに、ひとりひとりが順番に進捗を共有していく。

やったこと、わかったこと、次にやること、なんて小学生みたいだ。というのが第一印象だった。大の大人が集まって話し合う場に、似つかわしくないような気もする。もっといいやり方があるのではないか。格好良くまとめるいい方法があるのではないかと思ったものだった。

外に出るから気づくこと

ぼくが関わらせていただく企業はいわゆる中小企業である。歴史の長い企業もあればスタートアップのような若い企業もある。目標管理なんてものはないし、進捗会のフォーマットもない。会議として集まっても、思いついた人が思いついたことを、思いついたまま話をする。話題は飛ぶし、進捗には関係のない話にもなる。いつのまにか会議の時間は延びがちだ。

そんなとき、会議前に自分が話すことを書き出しておけば、自分の頭の整理もなるし、会議での話をコンパクトにできる。また、フォーマットに従って書き出した情報があれば、話題が飛んだとしても、もとの議題に戻りやすくなる。なにより、会議の型ができることにより、

いろいろな企業に関わるなかで「以前の企業ではどのようにしていたんですか?」と聞かれることがよくある。そのたびに「以前の会社ではこんなことをしていましたよ」と話すと、それだけで社長さんは顔をほころばせる。きっと運営に悩んでいるのだろう。

その環境のなかにいると「なぜこんなことをしているのか」わからないし、とてもベストとは思えない仕組みや慣習、文化がある。けどそれらは他の環境から見てみるととても良くできたベターなものなのだ。

ベストではなくても

小さいころ、「江戸時代の人はなぜあんな髪型(ちょんまげ)をしていたのだろう?」「面倒くさそうだし、もっといい髪型があったのではないか」なんて思っていたけれど、あの時代あの環境においてはそれがベストでなくてもベターなものだったのかもしれないですね。