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【今週の気づき/043】試行錯誤の条件

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何かが上手くなりたいと思うとき、最も効率的な道は、習熟している人に教わる方法だと思うもの。また、自分の子供などが上手くできないさまを見ていると、早く上達してほしいと、ついついコツを教えたくなってしまう。だが、教える、教わるという関係は本当に上達のための近道なのだろうか。

先週、息子と一緒に過ごして感じたことは、
「人が最も成長するのは、自分で試行錯誤し始めたとき」
だということである。教えなくても、自分で試行錯誤を始めれば勝手に上達していくのだ。

では、人はどんなときに試行錯誤を始めるのか。今週は「試行錯誤」についての気づきである。

スキーの上達

先週、春休み中の息子とスキーに行った。妻と息子の3人で2泊、息子と2人で3泊の計5泊。その間、僕は一切何も教えていない。それなのに、息子はスキーがみるみる上達した。曲がりたいところで曲がれるし、小回りでのスピードコントロールもお手の物だし、意図したところで止まる技術も身につけたのだ。

1日目
最終日 ボーゲンの形がきれい

試行錯誤の条件

人は教わらなくても勝手に上達していくときがある。それは自分で試行錯誤を始めたときだろう。では、どうしたら自ら試行錯誤を始めるのか。息子を見て感じたのは、下記の3つの条件がそろったときだ。

  1. 面白いと思えること
  2. 恐怖心が取り除かれていること
  3. 自分でもできると思えること

あとから考えてみると、僕がやっていたのは上記3つのサポートだと気づく。

①面白さ
息子は教わるのがあまり好きではない(僕から教わりたくないだけかもしれないけど)。
でも、その気持ちは僕にもよくわかる。教わり続けるのはシンドイものだし、教わることで理想と現実のギャップを見ることになる。理想からの引き算ではなく、現実からの足し算に注目するほうが面白い。だから、サポートする側も何も教えず、一緒になって面白がる方が両者にとって楽しい時間になる。

②恐怖心を取り除く
初めてのコースや急な斜面を滑る前はどうしたって怖さがある。だから、息子が怖がったときには、僕の股の間に息子を入れた抱っこスタイルで滑ったり、ハーネスをつけて滑る。そうやって何度か同じところを滑っているうちに怖さはなくなり、いつしか『ひとりで滑りたい』と言って、ひとりで滑れるようになる。

③できると思える
ひとりで滑っているときは、息子の後をついていき、ただただ「いいねぇ」を繰り返す(たまにツッコミを入れるとケラケラと笑う)。リフトに乗っているときは「あそこを滑ったんだね」なんて確認をする。そうやって上手くできたことを一緒になって共感したり、確認したりするうちに、最初はできるかどうかわからなかったことが、自分にもできると思えるようになるのだ。

過程に価値がある

目の前に成長して欲しい人がいるとき、ついつい正しいやり方や答えを教えようとしてしまう。また、自分にも上手くなりたいものがあるとき、つい良いやり方や答え外部に求めてしまう。

しかし、全てのことを教えることはできないし、全てのことを教わることもできない。だったら、試行錯誤する能力、試行錯誤できる環境づくりの方法、これらを身につけた方が、今後に活かせることは多い。

答えを知っていることよりも、答えを探す過程こそ面白く、価値があるものだ。