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【今週の気づき/147】成功への過程

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最近、息子と会う日は一緒にプールに行っている。

行楽用のプールではなく、競泳用のプールが設置された温水プールだ。息子は、泳ぐのが苦手である。苦手というか、まず水に顔をつけられない。もちろん本人がそれで良しとしていればこちらは何も言うことはなかったのだけど、今年は「泳げるようになりたい」のだという。そうであるならばと、今年中にできたらうれしい目標(25m泳ぐ)をつくり、一緒にプールに通っているのである。

見えているものの違い

今夏はじめには水に顔をつけられなかった息子が、今では水に潜れるようになった。水中に潜ってジャンケンもできるようになっている。まだ泳げはしないけれど、泳げるようになるためのステップを着実に登っていっている。

ただ、ここまでの過程も、すんなりとできるようになったわけではない。

水に顔をつける恐怖心を克服するために、まずは顔に水をかけるところから始め、鼻をつまんで水に顔をつける。鼻をつまんで目の下まで潜ってみる。頭のてっぺんまで潜る。鼻をつまんだ手を緩めて、鼻から息を出してみる。手を離してみる。少しずつ、少しずつ、挑戦してステップアップしていく。できることをほんの少しずつ増やしているのだ。

泳げる側にとっては、もうすでに自分がその過程を通ってきているから、泳げるようになる未来はすぐ近くに見える。少しずつでいいからステップを踏み、練習さえすれば、どんなかたちでも泳げるようになることはわかる。

でもきっとチャレンジしている本人からしてみれば、全部が初めてのことだ。潜ることだけで精一杯で、泳げるようになる未来なんて遥か遠くに感じているのかもしれない。「やっぱりだめだ」となることもある。鼻に水が入り心が折れることもある。それでも少しでも挑戦する。未来が見えてなくても挑戦する。その姿はかっこいいと思うのだ。

成功への過程

この「未来が見えていない状態」は、いまのぼく自身にも当てはまるのだろう。

初めてのことばかりで思うような結果が出ないとき、思い通りにならずに求めるものが手に入らないとき、「自分はだめだ」とか「自分にはできない」と思ってしまうこともある。それはきっと渦中にある当事者だからなのだ。求める未来と現状とのギャップにへこたれそうになるけれど、経験者から見れば、きっとそれはただの過程なのだ。ほんの少しの挑戦を継続することを諦めなければ、最後にはできるようになるのだ。

「挫折は過程、最後に成功すれば、挫折は過程に変わる。だから成功するまで諦めないだけ」

これはサッカーの本田圭佑さんの言葉だ。挫折や失敗や葛藤があるということ自体が、正しい道を歩めている証拠なのだ。

できることを味わう

さて、潜れるようになった息子は今、水中でじゃんけんすることにハマってます。「水中で身体を伸ばしてみようよ」と提案してみるものの、なかなかその気になってもらえません。父としては早く次のステップに進みたいところだけど、できるようになったことを味わう時間も必要ですよね。目標までの道筋を見通せるようにするのも大事だけど、できるようになったことを数えて現在地を確認するのも、同じように大事ですね。