今週の気づき PR

【今週の気づき/174】寄り添うとは「大丈夫?」と「大丈夫だよ」をセットで届けること

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春休みがおわった。

毎年恒例、学校の長期休みは静岡の山の中で息子と合宿生活をする。今年は10日間。あっという間だった。

ゲームをしてお腹を抱えて笑い転げることもあった。使ったコップを片づける片づけないで喧嘩もした。初めてグローブをつかったキャッチボールもした。寝る前には息子の好きなゲーム(マインクラフト)の小説の読み聞かせをした。寝るときには毎日、しあわせだと思えた。

もちろん、その間に家事も仕事もする。仕事はあまり進まないし、これで大丈夫かという焦りもあることはある。生活していくためにはお金がかかる。お金の問題と自分のしあわせと、両立させることはやっぱり難しい問題だ。けれど、この10日間を後悔することはきっとないのだとも思える。

消失した電動歯ブラシ

最終日の前日の夜、ひとつトラブルがあった。

息子と一緒にお風呂に入っていたときのことである。お風呂からあがろうとお風呂の栓を抜き、使い終わって風呂桶の縁に置いておいた電動歯ブラシを手に取ろうとしたとき、あやまって歯ブラシを湯船のなかに落としてしまった。そしてその歯ブラシは、そのまま排水口に吸い込まれていった。ここのお風呂の排水口には網目がついておらず、直径2センチくらいのものであれば吸い込まれてしまう構造であった。

「まじで? うそだろ? 電動歯ブラシ吸い込まれた?」と信じられない気持ちになっていたところ、息子は歯ブラシの心配をするでもなく、配管の詰まりなど家の心配をするでもなく、「父ちゃん大丈夫?」と僕のことを心配してくれた。そして、タブレットで中古の電動歯ブラシを調べて、「父ちゃんあったよ。電動歯ブラシ中古でも売ってるよ」と教えてくれた。

電動歯ブラシを消失し、ぼくがショックを受けていると思い、少しでも安く買える中古品を探してくれていたのだ。電動とはいえ、中古の歯ブラシを使うのは抵抗があるものの、息子のなかにやさしい気持ちが育っていることを感じてうれしくなった。この感情を味わえたのだから、電動歯ブラシ代も詰まり解消にかかるであろう配管工事代も安いものだろう。

「大丈夫?」と「大丈夫だよ」をセットで届ける

なにかトラブルが起こったとき、そのトラブルの影響に思考を向けてしまいがちだ。けれどまず最初にやったほうがいいことは「大丈夫?」とトラブルを起こしたその人の心配をしてあげることだろう。そして何かしらの対策を提案し「大丈夫だよ」を示してあげるのだ。「大丈夫?」と「大丈夫だよ」をセットで届ける。

そういえば、先日父が亡くなったときの葬儀屋さんはとても感じのいい方だった。深夜対応にかかわらず、「お疲れではないですか?」とこちらを気づかってくれて、葬儀の段取りを組んでくれた。まさに「大丈夫?」と「大丈夫だよ」をセットで届けてくれた。

最近はビジネスで「寄り添う」や「伴走」をよく聞くようになったけど、これらのビジネスの本質は「大丈夫?」と「大丈夫だよ」をセットで届けることなのだろう。このセットを届けてもらったとき、人は寄り添ってもらえたと思えるのだ。

配管工事費

さて、吸い込まれた電動歯ブラシは、配管を開けて調べてもらうことになりました。お見積りは「後日に改めて」ということです。息子のやさしさに触れられたのだから配管工事費なんて安いものだと思うけど、さらに安いものになることを願ってます。


\『プロジェクトマネジメント代行』やってます/

商品開発プロジェクトのマネジメントを代行します。開発プロジェクトに関わって15年以上の私が、言語化と見える化で共通理解を築き、プロジェクトを前に進めていきます。