神戸の朝は雨である。
これを書いている11月23日の朝は、雨が降っている。これからホテルをチェックアウトして、新幹線で京都に寄り、松本に帰らないといけないのだけど、傘を持っていない。ちょっとの雨だったら傘がなくてもいいのだけれど、窓から見える雨はちょっとの雨じゃない。ザーザーいっている。
手荷物になるのであまり気は進まないけれど、最悪傘を買えばなんとかなるだろう。近くのコンビニに行くまでのあいだは雨に濡れるかもしれない。でもその程度のことだ。
こんなふうに無意識のうちに未来を予想する。予想できるのは、似たような経験をしたことがあるからだ。雨に濡れた経験も、傘を買う経験も、もっと言えば旅先で同じように予期せぬ雨で、傘を買うはめになった経験もある。経験の範囲内だから予想できるのだ。
経験を積み重ねていいと思うことは、こうしたちょっとした未来を予想できるようになることだ。それも最悪を想定できること。悪くてもこの程度だろうと、最悪のレベルを想定できるから、少しだけ生きやすくもなる。人は最悪を想定できなければ、どこまででも悪いことを考えられてしまうものなのだ。
プロジェクトコーディネーター
今週、神戸に出張した。クライアント企業の事業のなかで、老朽化した橋の状態をデータとして保存する必要性があったためだ。簡易に３Dデータを取得できるアプリを提供している別企業と、クライアント企業をおつなぎして、22日の午後に３社で橋のデータを取得した。現場で使うにはまだ課題がありそうだけど、課題を実体験で把握できたのは収穫だ。
活動するなかで得た情報で企業と企業をつなげる。そのなかでなにかしらの協力関係が生まれ、世のなかを少しでもよくする開発をしていく。こうして企業をつなげて、新しいものをつくっていくのは、ぼくが目指している世界観である。
ただ、この仕事もまだ始まったばかり。実質まだ１年も活動していない。この先、もしかしたら資本の壁とか、大企業の壁とか、何かしら壁に当たることがあるかもしれない。予想もしなかったおおきな問題が起こるかもしれない。まったくお金にならないどころか、損害が出てしまうかもしれない。
経験のないことだからこそ、悪いことを考えると、最悪はどこまでも最悪になる。
今しかできないこと
じゃあどうするのか？ なにを基準に行動すればいいのか？
現時点でのぼくの行動基準の答えは「今だからできることか」である。
フリーだからできること。元エンジニアだからできること。もっと言えば、ぼくという人間だから、過去の経験があるからできること。今この年齢だからできること。これをやっていくしかない。
自分の特徴を含めて今だからできることを積み重ねていければ、その経験がいずれ他の人に求められるものになっていくのではないか。そしてその経験が「悪くてもこの程度ですよ」と最悪のレベルを人に教えられるようになるのではないか。要するに、今しかできないことをやっていれば、なんとかなるだろうと、考えているのである。
最悪は起こらない
こんなことを書いていたら、外の雨が弱くなってきた。最悪を想定しても、本当に最悪になることなんてあまりないのだ。だからやっぱり、今しかできないことをやっていくってもんですよね。
さてさてぼくは、傘を買わずにすみそうなので、浮いた500円でおやつでも買うことにします。神戸限定おやつはきっと、今しか買えないのだ。
今週のいちまい
京都の二条駅からの景色。京都は区画整理されているから、道がまっすぐですね。
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