自分の悩みに自分で答える企画。
「自分お悩み相談」
頭の中の悪魔と天使が対話しながら答えを探していきます。
今回のお悩みは
「自分の好きなことが見つからない」
果たして答えは見つかるのでしょうか。
相談内容
30代会社員(男) 新卒で入社した会社で働き、約10年が経ちました。10年経つと仕事の役割も変わり始め、最近は与えられた役割にはめ込まれる感覚になり窮屈さを感じています。仕事がつまらなく感じ、転職も考えたのですが、転職して別の企業に入っても同じことになると思いなおし、転職ではなくフリーになるか起業するかを考えています。一方で、個人で仕事をやる事を考えたとき、「好きなことを仕事に」というお話もあるかと思いますが、自分は何が好きなのかがよくわからなくなってしまいます。どうしたら自分の好きなことが見つかるでしょうか?
頭の中…
天使
はい、ということで、30代男性会社員の方から質問が来ています。
悪魔
なるほどね。会社がつまらなくて独立しようと。独立して好きなことやりたいけど、好きなことがわからないと。
天使
はい。何か解決策はあるでしょうか?
悪魔
これはあれだね。人間あるあるだね。最近増えてきたやつ。よくあるやつだね。
天使
あるあるですか。
悪魔
もうあるあるだね。あるある過ぎて答えるもの嫌になるくらい。めんどくさいから答えたくないのよ。
天使
またそんなこと言って。そう言わずに答えてくださいよ。
悪魔
いやだからめんどくさいのよ。
じゃあさ、天使はどう思うの?好きなことが分からないって人間に対して、どうやったら好きを見つけられるか。アドバイスするならどうやってする?
天使
そうですね。例えば朝起きて一番最初にすることが好きな事なんじゃないですかね。
悪魔
はは(笑)わかってねーなー。人間なんて朝起きてすることなんて大体決まってるでしょ。 着替えるとか、トイレ行くとか。飯食うとか。もうあいつらはお決まりで同じことやってんのよ、あほみたいに。なに?それが好きってこと?
天使
いや、まあ、好きなんじゃないですか?毎日同じことやってるんですよね?
悪魔
あのね、毎日同じことやったからといって、好きってことじゃないんだよ人間は。結構意味わかんないこと毎日やってんのよ。しかもそろいもそろって好きでもないことを。
天使
じゃあなんで毎日やってるんですか?
悪魔
お前はさ、まだまだ人間がわかってないね。
天使
・・・・
悪魔
あれ?怒った?天使も怒るの?まあいいや。
天使
じゃあ答えてくださいよ。悪魔さんは知ってるんですよね?
悪魔
まあね。俺に知らないことは無いからね。
あのさ、好きっていうのはさ、完全に主観なのよ。もう完全に自分で勝手に決めていいものなの。好きだと思えば好きなのよ。わかる?
天使
はい、わかりますけど。
悪魔
完全に主観でいいものをさ、好きなものがわかんないって、もう意味わかんなくない?こっちからすると「は?お前何言ってんの?」って。
天使
はい。わかんないです。
悪魔
でしょ。だからね、人間はめんどくさいのよ。この好きがわかんなくなってるやつの共通点ってね、主観じゃなくなってるのよ、好きが。人と比べてんの。
天使
というと?
悪魔
「俺の好きは、あの人ほど好きじゃない」って。比べちゃってんの。完全に主観なものをさ、比べられると思う?
天使
比べられないですよね。
悪魔
そうなのよ。どうかしてるよね。人間ってさ、すぐに他のやつと比べようとするのよ。あほみたいに。
天使
そうなんですか。まあ、あほは余計ですけど。
悪魔
それでね、自分が好きだと思うものがあっても、「あの人ほど好きじゃないから、好きってことじゃない」とか思っちゃうのよ。で、好きなものがわかんなくなるの。
天使
はい。
悪魔
いやね、そもそも比べられないもの比べてんじゃねーよってことよ。
天使
確かにそうですね。でもなんで比べられないものを比べるんですかね?
悪魔
知るかよそんなこと。
天使
え?
悪魔
え?
天使
え?知らないんですか!?悪魔さんでも知らないことあるんですか!?
悪魔
何?目が輝いてんだけど。
神様がね、そう設計しちゃったんじゃないの?人間ってすぐ比べるでしょ。何でもかんでも。身長も体重も、視力とかだって。もう比べられるもんはなんでも比べんのよあいつら。そんなの比べて意味あります?ってのも比べてんのよ。
天使
確かにそうかもしれませんね。
悪魔
結局さ、自分が好きだと思ってたことでもさ、他の奴のほうが自分より好きだと思っちゃうのよ。他のやつの方が飽きずに長いこと熱中している姿とか見てさ。それで勝手に自信無くしてんの。
天使
なるほどなるほど。
悪魔
でもさ、俺もだいぶ人間見てきたからわかるんだけどね、同じことずっと好きなやつっていないのよ。
天使
そうなんですか?
悪魔
うんいない。まあ続かないね。だってさ、子供の頃にヒーロー戦隊なんとかってのが好きで、大人になっても好きなやつっていないでしょ?
天使
いないとも言えないですが、少ないですね。
悪魔
そうなんだよ。好きなことなんてどうせ変わるんだからさ、そのときそのときで気分が良いことを好きだと思えばいいだけなのよ。
天使
でも、あれじゃないですか?漫画家の手塚治虫とか野球のイチローとか、子供のころから大人になっても同じものがずっと好きですよね。
悪魔
いやね、違うのよ。結局わかんねーじゃん。外から見てればすっと好きなように見えても、本人からすると飽きてるかもしれないじゃん。イチローだって「あ~ラグビーやりて~」とかずっと思ってたんだし。
天使
え?そうなんですか?
悪魔
だからね、外からだとわからないって話。そう思ってるかもしれないじゃん。
もうさ、あれかな、こっちから決めてあげた方が良いのかな?
「お前は石磨きが好きだ!一生石を磨き続けろ」って。
天使
いや、それは無理やり過ぎないですか?
悪魔
人間の一生なんて大して長くないんだから、そのときだけでも好きなことやりゃー良いと思うんだけどね。元々短いんだから、好きでいる期間の違いなんて誤差なんだよ。
天使
まあ、確かに僕らからしたら誤差ですね。
悪魔
それにね、1つのことを100%好きなやつなんていないのよ。
天使
あれ?そうなんですか?
悪魔
100%っぽく見えるだけね。見せてるだけ。裏では結構別のことやってんのよ。好きなものなんて分散しまくってんだよ。10%の好きが10個とか、5%の好きが20個とか、3%の好きが40個とか。
天使
3%は33個ですけどね。
悪魔
1%が100個でも良いのよ。結局それが好きってことなんだから。もう完全に主観で良いんだから。むしろほとんどのやつは好きなものが分散してんだから。
天使
はい。
悪魔
1%だとか2%の好きなことをさ、拾っていけばいいのよ。ちまちまと。
天使
ちまちま。。
悪魔
「あ、今の感じ好きだった」もうそれだけでいいじゃん。主観なんだから。「今は歩くのが好き」とかさ、「今は空気吸うのが好き」とかさ、「今は右肘と左肘をくっつけるのが好き」とかさ。もう何でもいいのよ。
天使
右肘と左肘?
悪魔
そんなもんなのよ人間の好きなんて。どうせ飽きるんだから。それともあれかな?こいつ、好きなことと飽きないことをごっちゃにしてるのかな?
天使
どういうことですか?それに質問者をこいつ呼ばわりしないでください。
悪魔
好きなものを見つけたいのか、飽きないものを見つけたいのか。
飽きないものなんてないんだよ。少なくとも今はわからない。飽きないものはさ、死ぬときにわかるんだよ。「そう言えば、あれ飽きなかったな」って。「石、磨き続けたな」って。
天使
石(笑)
悪魔
飽きないものを今見つけようとしてもそりゃー見つかんないよね。
天使
なるほどなるほど。
悪魔
だからさ、まずは0.1%でも「今」好きなことを見つければいいんじゃない?どうせ飽きると思ってさ。
天使
では、具体的に何から始めましょう?
悪魔
そうだね。まずは右肘と左肘をくっつけてみるとか。
そのとき自分がどう感じるか、ちょっと試してみるつもりでさ。
いかがでしたでしょうか。
悪魔、結構いいこと言っていましたね。
ポイントをまとめると、
- 「好き」は主観である。他人と比べないこと。
- 0.1%でも「今の感じ好きだった」に注目すること。
- 飽きるかどうかは考えないこと。
となるでしょうか。
しかし悪魔がやけに偉そうなのが気になります。
果たして次回はあるのでしょうか。
お読みいただきありがとうございました。
協力:折田大器