自分の悩みに自分で答える企画。
「自分お悩み相談」
頭の中の悪魔と天使が対話しながら答えを探していきます。
今回のお悩みは
「24時間じゃ足りません」
果たして答えは見つかるのでしょうか。
相談内容
30代会社員(男) 10年以上サラリーマンをやっています。生活するには問題ない給料をもらえていますが、満たされない自分がいます。個人でも仕事をしていきたいと、平日の夜や休日に個人での活動をしていますが、時間が取れず思うように進んでいないのが現状です。24時間じゃ足りません。1日を有効に使えるようにするにはどうしたらいいでしょうか?
頭の中…
天使
はい、ということで、30代男性会社員の方から質問が来ています。
悪魔
はいはい。24時間じゃ足りないと。
天使
そうらしいです。
悪魔
これもまあ、あるあるだよね。人間あるある。なに? この悩み相談は人間あるあるに答える感じなの?
天使
それだけ悩んでる人も多いってことで。
悪魔
あるあるに答えるのってあんまり好きじゃないんだよね。
天使
まあ、そう言わずに今回もお願いします。
悪魔
じゃあさ、天使はどう思うわけ? 24時間じゃ足りませんって言ってくる人間に対してどう答える?
天使
そうですね。まずは自分が何にどのくらい時間を使っているのかを調べるところから始めてみるのはどうでしょう?
悪魔
ほう。それで?
天使
そのあと、その時間を見て、無駄だと思う時間を無くして、空いた時間をやりたいことにあてるとか。
悪魔
なるほどね。あるあるだね。
天使
あるあるですか?
悪魔
そう。あるあるの質問に、あるあるで答えてどうすんだよ。だいたいさ、あいつらめんどくさがりなんだよ。そんなんやらないよ?
天使
そうなんですか? でも、悩んでるんですよね?
悪魔
絶対やんないよ。めんどくせーもん。俺だってそんなことやらない。
天使
まあ、僕らは時間余ってますからね。じゃあ、悪魔さんはどう答えるんですか?
悪魔
「24時間じゃ足りない」って言ってるってことはさ、俺に言わせると「86年と4か月と12日じゃ足りません」って言ってるようなもんなのよ。例えばね。
天使
はい。つまり寿命ってことですね。
悪魔
そうそう。「寿命が足りません」って言っているようなもんなの。「もう1回生き返らせてください」って。わがままじゃない?1回って約束なのに。そんなお願いされたってね。基本的に俺は人間のお願い聞かないじゃん?
天使
悪魔ですもんね。
悪魔
もうさ、1回生きてんだから、その中で好きなようにやってよって思うわけよ。そこは生きている間にやってほしいのよ。
天使
そうですね。
悪魔
もう寿命って決まりがあるからしょうがないじゃんって。人間はそういうルールなんだって。
天使
はい。人間はそういうルールですもんね。
悪魔
そうだよ。ルール内で納めてって話なのよ。
天使
でも、僕らにはちょっとわからないですよね。寿命ってないですから。
悪魔
いや、あるよ。
天使
え?
悪魔
あるよ。寿命。お前知らないの?
天使
え? 寿命あるんですか? 死ぬんですか?
悪魔
うん。死ぬよ。ちなみに俺は3回死んだ。
天使
え? 死んだんですか? でも、今生きてますよね?
悪魔
そうそう。生きてんのよ。死んだら生まれ変わるのよ。でも、死ぬ前の記憶とか全部残ってんの。そこが人間と違うところなのかな。
天使
でも、それって死んだことにならなくないですか? 記憶も残ってるんですよね? じゃあ、安心ですよね。
悪魔
いや違うのよ。それでも死ぬのはさ、めちゃくちゃ怖いわけよ。今度は生まれ変わらないかもしれないって思うわけよ。もう恐怖。
天使
そうなんですか?
悪魔
死ぬ瞬間すげー怖いよ。
天使
そんなに怖いんですか?
悪魔
そりゃもう、マジで怖い。特に最初はヤバい。
天使
・・・。
悪魔
まだ味わったことないんだ?
天使
はい。ちょっと憂鬱になりました。話進めてください。
悪魔
いやいや、凹みすぎだから。話しにくいからそんなに凹まないでもらえる?
天使
はい。
悪魔
いやさ、ちょっと前向きな話をするとね、死ぬのも悪くないのよ。
天使
はい。
悪魔
なんて言うか、生まれ変わるとね、こう、ちょっと新鮮になるっていうか、今回はちょっと真面目に生きてみようか的な。
天使
はい。
悪魔
あれ? 聞いてる?
天使
話進めて。
悪魔
あれ? ため口? 俺が言いたいのはね、人間も同じようなことやってんのよ。あいつら寝るでしょ? あれって俺らからすると1回死ぬのと同じようなものなのよ。
天使
はい。
悪魔
でもね、人間ってそれに慣れすぎてて、もう怖いとか思わなくなってんの。狂ってんのよ。あれが怖くないって感覚、狂ってる証拠。
天使
はい。
悪魔
何なら「今日は早く寝ようかな」とか言って寝るでしょ。あれマジで信じらんない。頭おかしいよ。
天使
そうなんですね。
悪魔
お、やっとしゃべった。でね、人間もさ、生まれ変わると思えばいいんだと思うのよ。寝て起きたら生まれ変わる。
天使
ほう。それはどういうことでしょうか?
悪魔
今日の自分と明日の自分は違うって感じでさ。
天使
なるほど。違う自分ですか。僕らみたいに記憶はあるけど生まれ変わる感じですかね。
悪魔
俺、思うんだけどね。「24時間じゃ足りない」って言ってるやつってさ、未来の自分のために今日を生きてる感じがするのよ。明日とか1週間後とか1か月後とか1年後とか10年後とか。
天使
なるほど。今日の自分のために生きてないと。
悪魔
そうそう。人間なんていつ死ぬかわかんないのに、今日の自分のために生きなくてどうすんだよって思うんだよね。今日を犠牲にしても明日の自分は違う自分だよって。
天使
今日の自分を犠牲にしているんですか。
悪魔
せっかく今日生まれて、今日しか生きられないのに、未来の自分のために生きるのってしんどくない? そりゃあさ、24時間じゃ足りませんとか言い出すって。今日の自分のために生きてないんだからさ。
天使
はい。つまり、「24時間じゃ足りない」って言っている人間は、今日の自分のために生きてないと。今日の自分のために使う時間が足りてないと。そういうことですか?
悪魔
そう。足りてないのは未来のための時間じゃなくて、今日のための時間ってこと。もっと今日の自分のために時間使えばいいんじゃない? そうすれば解決するよ。
天使
はい。でも、今日の自分のためだけに生きると人間ってだらけませんか? 好きなものを好きなだけ食べて、ひたすらダラダラして。そんな姿が目に浮かびますけど。
悪魔
まあね、別にそれでもいいと思うよ。だってそういうやつらって「24時間じゃ足りません」って言わないっしょ。毎日、今日の自分のために生きてるわけだし。
天使
それでいいんですか? なんか解決になってないような気がしますが。
悪魔
いやさ、もうちょっと言うとね、別に食いたいもんを食いたいだけ食えばいいって言ってるんじゃないのよ。同じものを食べるにしても絶対あるはずなんだよ。そいつが今それを食べている理由が。
天使
理由ですか?
悪魔
そう、理由。未来のためじゃなくて、今の自分のために食べてる理由。
天使
どんな理由でしょうか?
悪魔
例えば、ブロッコリーを食べるとするでしょ。
天使
なぜブロッコリー?
悪魔
ブロッコリー自体を選択したのは未来の自分のためかもしれない。体にいいとか、栄養があるとか。けどそれを食べるのは今の自分なわけよ。ブロッコリーが死ぬほど嫌いだったら選ばないっしょ。
天使
確かに。選ばないですよね。
悪魔
ブロッコリーの好きなところが絶対あるはずなんだよ。食感とか味とか。モソモソ感とか。あのツブツブ見てるだけでたまらんとか。未来ばっかり考えてるやつってそれが見えなくなってるのよ。
天使
なるほど。見えなくなってると。
悪魔
まずは、今食べる理由を思い出せと。思い出せないなら無理やりでも作り出せと。理由なんかなんでもいいんだよ。食いながらでも良いから探せば案外見つかるもんだよ。
天使
え? 無理やり作ってもいいんですか?
悪魔
そんなもんなんでもいいんだよ。こじつけでも後付けでも。今日のために生きる時間が増やせればなんでもいい。それにこれね、食べるだけじゃなくて、他のことにも言えることだから。
天使
ほう、他のことですか?
悪魔
例えば、今日やらないといけない作業とかあるっしょ。それもね、未来の自分のためじゃなくて、今日の自分がやる理由を探せばいいんだよ。無いなら作んの。例えば資料作りとかさ、だるいでしょ。だるい作業でも「この作業を今日の自分のためにやるにはどうしたらいいのか?」って考えんだよ。それが思い浮かんでから作業に取り掛かればいい。思い浮かばなければ、そんな作業やめちまえ。
天使
え、やめちまえ?
悪魔
やめたって大したことない。大丈夫だって。それよりも今日のために生きることの方が大事。じゃないとまた24時間じゃ足りませんとか言い出すから。
天使
なるほど。もう何が何でも今日の自分のために生きろと。
悪魔
そうそう。そうやって生きていればさ。まあ何とかなるんじゃない? 未来のことは知らんけど。
いかがでしたでしょうか。
今回の悪魔もちょっと良いこと言っていた気がします。
ポイントは以下の3つ。
- 足りないのは今日の自分のための時間
- こじつけでもいいから今日の自分のためにやる理由を作る
- 理由が見つからなければやらなくていい
意外にも悪魔と天使にも寿命があるんですね。
次はどんな相談が来るのでしょうか。
ちょっと楽しみです。
お読みいただきありがとうございました。
協力:折田大器