【今週の気づき】とは、社内風土改革と称して勝手に始めた社内メルマガ(執筆は業務時間外)の内容を、社外秘を含まないよう一部加筆修正してブログ化したものです。
「とことんお客様視点に立つ」
これは僕が勤める会社の社長がよく言う言葉だ。この言葉に反対する人はいないだろう。お客様の困りごとを解決する。お客様が喜ぶ商品をつくる。これが会社の使命だから。
しかし、お客様視点に立つのは言うほど簡単ではない。特にお客さんから離れた開発などの部署にいればなおさらだ。だからここではあえて、お客様目線ではなく、未来人視点に立つということを提案してみたい。視点を変えれば見えるものも変わってくる。ということで、今週は未来人視点について考えてみる。
小学生の頃の話
小学校高学年くらいの頃、確か社会の授業だったと思うが、戦時中は日本にも徴兵制があったということを知った。そのときの僕の感想は、「あ~、そんな時代に生まれなくてよかった」だった。絶対に軍隊に入らなくちゃいけなくて、戦争にも行かなければならない。そんな時代に生まれなくてよかったと心底思ったものだ。江戸時代は歩いて日本を旅していたことを知ったときもそうだった。そんなの絶対耐えられない。そんなに歩けるはずがない。現代に生まれてよかったと、そのときも思った。
いつの時代も「現代に生まれてよかった」と思う
「現代に生まれてよかった」こう思うことはきっと繰り返されててきたのだろう。もしかしたら戦時中の子供たちも戦国時代に生まれなくてよかったと思っているかもしれないし、江戸時代の人達も(歴史を知ることがあれば)、鎌倉時代よりはマシだと思っていたのかもしれない。
それは、その時代の常識から考えると昔は非常識に思えるから。現代から考えれば、学校で国語や算数を学ぶのは常識であり、人の殺し方を学ぶのは非常識だ。また、出張や旅行に電車や車を使うのが常識であり、打ち合わせに行くのに長野から東京まで3日間歩くのもまた非常識である。
未来人視点
常識は変化する。常識は無常なのである。きっと現代も未来人から見れば非常識なところはたくさんあるはずだ。
「昔は学校というところに30人くらいが閉じ込められて、何を学ぶか全部決められていたらしいよ。そんな時代に生まれなくてよかった。」
「昔は昼間みんなで家を空けて会社に集まり、夜は会社を空けて家に集まる生活だったらしいよ。効率悪いよね。」
「昔はお金もらうために仕事していたらしい。昔は大変だったね。現代でよかった。」
50年後、100年後、200年後の未来人はそう思っているに違いない。
常識を取り除く
「未来に生き、欠けているものをつくれ!」
いつか見たYouTubeの番組の中で言われていた言葉である。未来を予想するのではなく、もう未来に住んだつもりになってしまう。そしてそこから現代を眺めてみたとき、欠けているものが見えてくる。それを作れということなのだろう。
学びのカタチ、働く意味、お金のあり方。
これらは50年後、100年後、200年後も変わらず続いているのか。変わっているとしたらどう変化しているのか。その変化に必要なものは何なのか。未来人の視点から現代の常識を取り除いたときに現れるもの。それが未来で常識になるものである。