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【今週の気づき/058】不安の正体

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現状維持バイアス

というものがある。これは、「現状から未経験のものへの変化を『安定の損失』と認識し、現在の状況に固執してしまう心理的現象」のことだそうだ。何かを変えるのは怖いもの。特に仕事を変える、会社を辞めるとなれば、不安や恐怖は大きい。この不安の正体はなんだろうか。今週は、「会社を辞めることの不安」について考えてみた。

テニススクールの退会

7月末で2015年から6年間通っていたテニススクールを退会した。退会した理由はいくつかある。時間の確保、体調面(夜に運動すると睡眠が浅くなる)、固定費の削減。それらを考慮して、少し悩みつつも退会した。退会前は「まあ、しょうがないかな」くらいにしか思っていなかったけど、いざ退会してみると寂しい感情があることに気づく。6年間も通っているうちに、自分にとっての大切なコミュニティーになっていたのだ。喪失感、孤独感のような感情がある。「この感情はなかなかに厄介だ」そう思った。

本当に恐れているもの

会社を辞める。そう考えたとき、はじめに意識するのはお金のことだろう。どうやって収入を確保するのか。生活はどうするのか。収入なしにどうやって生きていくのか。お金の心配が避けて通れないものだ。でも最も恐れているのは本当にお金のことだろうか。

僕はコツコツと努力を重ねることが得意だ。小さいことを続けるのを苦にしない。だから「コツコツと頑張りさえすれば、2~3年で生活できるくらいは稼げるようになるのでは」とも思う。頑張り続けさえすれば何とかなると、自分を信じているところもある。それなのに、不安になるのはなぜなのか。

たとえば会社を辞めて、何かの学校に入ったとする。大学で学びなおすでもよい。何かのスキルを習得するための学校でもよい。その場合、不安はどうなるだろうか。たぶん、どこにも所属しないときより、かなり減るだろう。学校に入れば、生活費以外にもお金はかかるのに、不安は減る。そう考えると、本当に恐れているのはお金が足りなくなり生活が困窮することはなく、自分の属するコミュニティーを失う孤独感や、価値あるものを生み出していないことによる無価値感なのだと思う。

人が仕事で得ているものの中で最も大切なものは、お金というよりも、自分の価値の確認と、孤独の解消なのかもしれない。仕事とは人との繋がりを生むためのものなのだ。

まずは環境づくり

会社を辞めると考えたとき、お金の心配を先にしてしまいがちだ。けれど、まずやるべきは、他者に貢献できる場作り(無価値感の解消)と、コミュニティーへの所属または形成(孤独の解消)なのだと思う。そういった環境を整えることが、自分のメンタルや体調を整えることにつながる。メンタルと体調さえ丈夫であれば、2~3年は頑張ることは可能だろう。収入に関しては、3年間はビジネススクールに通ったと思えばいい。

まずは、自分が他者に貢献できる場を作ること。ここから始めたいと思う。