今週の気づき PR

【今週の気づき/062】自分の商品

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

今週、今勤めている会社に、個人事業として仕事を請け負う提案をするため、自分の商品を定義した。自分の価値とはなにか、自分が提供できる商品とはなにか、これらを改めて考えてみたのだ。やってみて気づいたこと、それは、「自分の提供価値は自分基準」「商品は相手基準」ということ。どういうことなのか。今週は、「自分の商品」についての気づきである。

自分の価値

自分の商品をつくる際、最初に考えたのは、「これまでの仕事の中で楽しかった場面はなにか」ということ。これらを書き出し、まとめていった。

僕がこれまでの仕事で最も楽しく感じたこと、それは開発業務の中で発生した、想定外の課題の原因を解析しているとき。そして最も大きな喜びは「その課題の発生原理、メカニズムを解き明かしたとき」だ。

技術系の開発中、特に新しいことに挑戦している場合には、事前に想定していなかった課題が発生する。言ってみればこの課題が僕の行動の源だ。なぜこの課題は発生するのか。発生原理の仮説を立て、理論式を作り、シミュレーションを行う。そして実験で確かめる。この過程が楽しいのだ。さらに、課題のメカニズムを解いたとき、「わかった!」「そうだったのか!」と思える瞬間が最大の喜びだ。

そして、自分の「わかった!」の喜びを、周りの人にも同じように体験してもらいたい。だからこそ、自分が理解した現象を、周りの人も理解できるように図や言葉を用いて説明する労力はいとわない。課題となる物理現象を解き明かし、それを周りの人に伝える。周りの人が「そうだったのか!」の喜びが生まれるのを目指す。つまり「現象の翻訳」が自分の価値であり、僕は「現象の翻訳家」とも言える。

自分の商品

しかし、「現象の翻訳」では相手にはわかりにくい。わかりにくいものにはお金は払えない。実は先週、会社の上層部の人と面談する機会をもらい、自分の商品を説明したのだけど「ちょっとわかりにくいなぁ」と言われたところだ。やはり、お金を払ってもらうポイントは相手目線でのわかりやすさが重要になると実感した。

今勤めている会社を相手にする場合、最もわかりやすい僕のスキルは「光学」だろう。今の僕が持っている知識やスキルの中では、最も高いと言えるものであり、社内でも通じる言葉だ。この「光学」と、自分の価値である「現象の翻訳」とを繋げると、「課題の本質を解明し、それを光学で解決する」となる。つまり「課題を根本的に解決する、新規光学系開発」これが僕の商品だ。

自分基準と相手基準

「提供価値とマネタイズポイントをずらす」

これは安田佳生さんがよく言うことだ。実際に提供している価値と、お金をもらうポイントをずらすことで、お客さんが喜んでお金を払える環境をつくれるというものだ。

たとえば、銀座のクラブ。価値は「気分良くなってもらうこと」であり、マネタイズポイントは「お酒」だ。また別の例では、何ヶ月も先まで予約が取れない人生相談ができる美容院。価値は「悩みの解消」であり、マネタイズポイントは「カット」や、「スタイリング」となる。

今回、自分が定義した商品も、結果的に提供価値とマネタイズポイントがずれたものになったかな思う。きっとそれは、提供価値と、商品(マネタイズポイント)で考え方を変えたからだろう。提供価値は、自分が楽しいと思えること、つまり自分基準で考えた。一方で、商品は相手から見たわかりやすさ、つまり相手基準で考えた。この視点の変化が、提供価値とマネタイズポイントをずらすコツなのかもしれない。

今回、初めてイチから自分の商品を作ってみた。全くの手探りでやってみたけど、一応は形になったと思う。個人事業もここから始まるのだろう。

この提案が会社に受け入れられるかはわからないけど、今僕ができる、はじめの1歩だ。