今週の気づき PR

【今週の気づき/082】されたい期待を示す

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

いまの気持ちを記録しておきたい。

今週、すこし大きな仕事をいただいた。退職後、はじめての正式な依頼である。このときの気持ちを、感じたことを気づきとして忘れないうちに書いておきたい。ということで今週は、「されたい期待を示す」についての気づきである。

提案を受け入れていただく

いただいた仕事内容は、簡単にいうと企業の期末の資料作成だ。今年度の業績と来年度の方針をスタッフに伝えるための資料である。社長の考えや方針という抽象度の高いものをわかりやすい言葉や図表を使って具体的な資料に落とし込む、そのためにぼくに声をかけてくれた。ぼくとしても、「わかりやすさへの挑戦」は好きで得意なことであり、喜んでお引き受けした。

今回のご依頼にあたり、見積もりは2つ作成した。ご依頼いただいた要望どおりに作るものと、ぼくなりの提案を入れたものだ。ここで悩ましいのが価格設定である。悩んだあげく、かかる労力の観点から、提案を入れたものは、要望どおりに作るものよりも、約2倍の価格に設定した。恐るおそる見積もりを提示したところ、2倍の価格にもかかわらず、今回ぼくが提案した内容で依頼をしていただけた。これはやっぱりうれしいものだ。

されたい期待を示す

ここで改めて思うのは、価格とは期待であるということ。高い金額を提示することは、それだけ「自分に期待してください」というメッセージでもある。そして、それを受け入れてくれるのは、「期待していますよ」という相手からの応答メッセージだ。

ぼくはこれまで、「期待」という言葉を毛嫌いしていたフシがある。「期待」という言葉に、あるべき姿を押し付けられているような、自分の方向性とは違うものを求められているような、窮屈さを感じていたからだ。だから期待からは逃げていたし、期待されたくないと思っていた。

しかし今回はこれまでとは違う。期待に応えたいと思うし、何なら期待以上のものをつくりたいと思っている。そう思えるのは、自分が期待されたいことと、依頼主である社長さんの要求が一致したからだろう。そしてこの一致を生み出したのは、もちろん社長さんが声をかけてくれたという要因も大きいが、思い切って自分が期待されたい方の案を提案できたことが最大の要因だと思う。

つまり提案とは、自分がされたい期待を示すことなのだ。

自分が「できること」ではなく、「されたい期待」を示す。それが大事なんだと思う。

期待とプレッシャー

正直に言ってしまうと、提案した内容をどうやって実現するのか、まだ完全なイメージができていない。なかなか大変なものになるかもしれないという予感とプレッシャーもある。

今回ご依頼いただいた仕事の価格は、決して安いものではないけれど、この1件だけではまだまだ生活は成り立たないという事実もある。生活していくには、このプレッシャーを月にあと何件も受けないといけないのかと想像し、「ああ、自分はこういう世界に入ってしまったんだなあ」と怖くもある。そして、そういう世界で生きている人たちに改めて、「いや~すごいですねえ」と尊敬の念が湧く。

でもやっぱりそういう世界で生きたいから、いま頑張ってるんだよなあ。まだまだ道のりは長いけれど、とにもかくにも今回、声をかけてくれた社長さんに感謝の気持ちでいっぱいである。