ミドルエイジクライシス、というらしい。
40代~50代の頃に、自分のこれまでの人生やアイデンティティについて問い、葛藤したり不安を感じたりする時期のこと、だそうだ。
ぼく自身、おそらく会社員だった30代後半からこうした不安を抱えていた。「このままでいいのだろうか?」「もっとできることがあるのではないか?」「会社員以外の選択肢はないのか?」と日々モンモンとしていた。そして退職後も「社会のなかで自分はなにができるのか?」「自分は何者なのか?」と、さらにモンモンとした問いの真っ只中にいる。ただ最近、ほんの少しずつではあるが、自分は何者なのかが見えてきている気もする。今週は「ミドルエイジクライシスの乗り越え方」についての気づきである。
予想できない未来
今週は企業理念の策定で関わらせていただいているクライアント企業さんを訪問し、企業の行動指針をつくるためのワークショップを開催した。
時間をかけて準備していたこともあり、ワークショップ自体は問題なく終えることができた。参加してくれた社員さんにも前向きに取り組んでもらったし、働くことで得られる喜びを再確認してもらえたと思っている。成功と呼べるかはまだわからないが、少なくとも失敗ではなかったと一安心している。
2年前、前職を辞めたときには、まさか自分が企業でワークショップを開くなんて思っていなかった。まったく予想していなかった。タイムマシンで2年前の自分に会いに行き「2年後、お前は企業でワークショップを開いているよ、それも企業の行動指針をつくるためのワークショップだよ」と言ったらさぞ驚くだろう。「どんな流れでそうなった?」と目を丸くするだろう。そのくらい、予想だにしなかったことなのだ。
相手のために動く
会社を辞めてからというもの、自分の専門的なスキルが活きることよりも、企業や他者から求められること、あるいは企業や他者を見て「もっとこうしたほうがいいんじゃないかな」と思うことをやってきた。前職のスキルは関係なしに、できるかどうかも置いておいて、自分が役に立てると思えることをやってきた。プレゼン資料を求められればつくり、社長さんの考えがもっと広がってほしいと思えばコラム発信を提案し、企業理念をつくったほうがいいと思えば、つくるための手伝いをした。やったことのないことでも、必要だと思えばやってきた。「自分にできるだろうか?」と不安になりながらも、とにかく目の前の一歩を進むことに集中してやってきた。
そうしたなかでやっと見えてきた自分の軸は以下の通りである。
Vision:
ぼくのVisionは息子が起点になっている。素直すぎるくらいに素直に育ってくれた息子が、笑顔で生きられる世界になって欲しい。そのためには息子が人として成長することは必要けど、息子のまわりもやさしくあってほしい。自分にできることはやさしい世界をつくることに少しでも貢献することだろう。
Mission:
ミッションはぼくの得意をVisionにつなげたものだ。ぼくがわかりにくいものに出会ったときに感じる「わかりやすくしたい」という衝動。場があったら「笑い」を取りたいという欲求。これらを用いて共通理解を築き、協力関係をつくる。協力関係とは個性を活かし合う関係である。
Works:
Missionを形にしたもの。とくにこの2年でぼくが求められてきたこと、「もっとこうしたほうがいいんじゃないかな」と提案してきたことだ。
これがいまのぼくの軸である。
きっと自分の存在意義は考えていても見つからない。先の見えないなかで、周囲から求められることに応えてみる。自分にできるかわからなくても、相手のためになるように動いてみる。そうするなかで少しずつ、自分の存在価値のようなものが浮き彫りになってくるのだろう。葛藤のある30代、40代こそ、新しいことに挑む必要があるのだ。
2年前の自分に声をかけるなら
2年前の会社内でモンモンとしていた頃の自分に声をかけるとしたらどんな言葉をかけるだろうか。いま思えばもっと会社のなかでできることはあったと思う。それでもやっぱり会社を辞めないと体験できなかったことは多かったという思いもある。まあどちらが正解というわけでもないだろう。
それでもまずは、「会社を辞める必要はないよ。会社内でもできることはたくさんあるから、まずそれをやったほうがいい」と声をかけるだろう。やっぱり独立して仕事をするのは思っていたよりもずっと大変だったから。
そしてこんな声がけを受けた2年前の自分はきっと、「わかった。それでも後悔したくないから」と聞く耳を持たずに退職するのだろうな。
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