今週の気づき PR

【今週の気づき/153】変化と馴染むこと

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

蕎麦殻のまくらを使っている。

たしか20年くらい前にニトリで購入したものだ。当時はまくらのサイズに対して蕎麦殻の量が少なく感じて、まくらをふたつ購入し、ひとつをバラしてもうひとつの中身を増量したと記憶している。そのまくらをかれこれ20年近く使っている。仰向けでも、横向きでも、うつ伏せでも、まくらの下に手を入れることで簡単に高さを調整できる。この調整の動作も、今ではほとんど無意識でやっている。お気に入りの域を通り越して、もう身体の一部と言っても過言ではない。

最近は出張に行くときもこのまくらを持っていっている。ホテルのまくらはたいてい綿のものであり、寝るときにどうしても「外出している感」が出てしまう。しかし、まくらひとつ持っていくことで睡眠の質がまったく変わる。ほとんど家で寝ているのと変わらないくらい、家で寝ていると錯覚するくらい、安心できる。まくらだけで出張のQOLが爆上がりするのである。

ぼくにとってこのまくらは、串カツ屋に代々伝わる秘伝のタレのようなものだ。地震や火事があれば、「これだけは」と抱えて逃げるレベルのものである。

新しいまくら

今週、新しく蕎麦殻のまくらを購入した。

危機感を覚えたからだ。今の自分はこのまくらに依存しているといっていい。このまくらになにかあったときの損失の大きさを考え、予備のまくらがあったほうがいいと思ったのだ。

新しい蕎麦殻のまくらは、当然のように蕎麦殻がサラサラしており、粒がしっかりしている。匂いもいい。

購入してはじめて気がついたけど、20年使っているまくらは蕎麦殻が相当にへたっている。おそらく、自分の汗や皮脂が吸収されてるためだ。

しかし、新しければいいというものでもない。新しいまくらは蕎麦殻が乾燥しているためか、動かすとシャリシャリとこすれる音がうるさい。さらにサラサラ過ぎて形状を維持できず、高さ調整がしにくい。好みの感触にするためには、蕎麦殻まくらには使用感が必要なのだ。

ただ、使用感のあるまくらとは、他人の汗や皮脂を吸い込んだまくらである。とても買う気にならない。新しいものでは好みの感触は出せないし、中古のものは使いたくない。つまりやっぱり今の自分のまくらが唯一無二のものなのだ。

新しいものへの違和感

こういうことは他にもあると思う。

人間関係でも仕事でも、依存度の高いものへのリスクを分散するために新しいものを取り入れても、違和感が大きくなり結局元に戻るなんてことはおおいにある。

ぼくがいま、やっている仕事のひとつ「プロジェクトマネジメント」も同じだろう。

社外の人間であるぼくが、プロジェクト全体を見て推進していく。これもきっと社内の人には大きな違和感が生じるのだろう。この違和感が生じている期間が一番大変なときだし、一番トラブルが生じやすいときでもある。

まったく新しいものとしてではなく、使用感はありつつも清潔感は保っているものとして加わる。トラブルを抑えプロジェクトを成功させるには、こんなテクニックが求められるのである。

馴染む期間

さて、まくらについてですが、新しいまくらに切り替えるのではなく、蕎麦殻を新しいのと古いのを混ぜながら使っていこうと思います。秘伝のタレのように、継ぎ足し作戦です。

人間関係でも仕事でもまくらでも、馴染む期間は必要ですね。それにしても、まくらってどのタイミングで買い替えるのですかね?


アドバイスのない相談ツアー受付中

アドバイスのない相談ツアー受付中です。松本だけでなく東京でも開催しています!

詳細やお申し込みは以下のリンクから。