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【今週の気づき/034】定義を広げて考える

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【今週の気づき】とは、社内風土改革と称して勝手に始めた社内メルマガ(執筆は業務時間外)の内容を、社外秘を含まないよう一部加筆修正してブログ化したものです。

年始に『シュパット』というエコバッグを買った。「一気にたためるコンパクトバッグ」というのが売り文句の、5秒ほどでたためるバッグである。これを最近気に入って使っている。なぜ気に入ったかというと、スーパーでの買い物が少し楽しくなったからだ。エコバッグで買い物が楽しくなるというのも不思議だ。今週はこの気づきについて書いてみようと思う。

シュパットとは

5秒でコンパクトにたためるエコバッグである。価格は2,000円~3,000円ほど。下記はシュパットの説明動画である。たたむ場面は40秒くらいから。

経緯

買い物した荷物を持って帰る際、これまではスーパーで購入した500円程度のエコバッグを使っていた。使う目的は買い物後の袋詰めの手間と時間を省くためである。買い物カゴを2つ手に取り、ひとつは商品を入れるもの、もうひとつは大きめのエコバッグかけておけば、会計時に定員さんがエコバッグに詰めてくれる。買い物する分には問題ないし、基本的には満足して使っていた。

年末頃にポッドキャストの番組(日経トレンディ)の中で『シュパット』というエコバッグが紹介されているのを聞いた。音声メディアで映像がないため、商品の形は想像するしかないのだけど、たたむときに出演者が驚いていたのを覚えている。そのときは、「確かにたたむのって手間だよなぁ」と興味はもちつつも、商品を検索することや購入することはなかった。

それが年を空けて何度かスーパーで買い物をすると、買い物後のエコバッグをたたむ作業をものすごく億劫に感じている自分に気づいた。たった30秒ほどの作業なのだけど、ついつい後回しにしてしまう。たたまれずに何日も放置されているエコバッグを見て、年末に聞いた『シュパット』が猛烈に気になり、Amazonで検索し、ちょっと高いかもと思いつつ購入した。

「課題提起と解決策提案」→「課題を実感」→「購入」

こんな流れである。

エコバッグの価値

エコバッグの価値とは何だろうか。通常であれば「地球にやさしい」とか「レジ袋代の節約」などだろう。または、僕と同じように「袋詰めの手間と時間の削減」に価値を感じている人もいるかもしれない。
しかし、僕が『シュパット』に感じた価値とは『買い物体験の向上』である。買い物後に潜在的に感じていた、たたむという「苦」、これをシュパッと簡単にたたむという「楽」(楽で楽しい)に変えた。その結果、これまで少量の買い物にいちいちエコバッグを使うのは抵抗があったが、それが無くなった。
また、買い物後にバッグを肩にかけて持つとなんかオシャレでもある。これも良い。気分がちょっと上がるので使いたくなる。買い物に行く回数も増えそうである(バッグの容量はちょっと小さめ)。

定義を広げて考える

『シュパット』は2020年12月時点で累計700万個売れたヒット商品なのだそう。ヒット要因はレジ袋の有料化という大きな流れもあっただろうけど、なぜ数あるエコバックからこの商品が選ばれたのか。それは「買い物という日常的な行為を、エコバッグをたたみ終わるまでと捉えなおし(家に帰るまでが遠足みたいな感じ)、商品購入後から畳み終わるまでのわずかな時間の幸福度を上げた。その結果、買い物全体の時間的価値が向上した」ことが要因だと思う。

買い物時間を充実させるために、買い物時間以外を充実させる。

ものごとの定義を広げて考え、その広がった部分に注目してみる。新しいアイデアはそんなところから生まれるかもしれない。