「なんだか懐かしいなあ」
なんて思う。グーグルフォトを開き、1年前の写真が表示されたときのことだ。1年前の自分の姿を見て「1年前はこんなことしていたな」と思うと同時に「1年前はまだ会社に勤めていたんだな」などと懐かしい気持ちになる。まだ退職して1年経っていないのに、ずいぶん昔のことのように感じるのだ。それはきっと、自分が1年前とは変化しているからだろう。「変わったなあ」とそんな風に自分でも思うのだ。
個人事業とは究極の自分磨き
ここでいう変化とはなんの変化だろうか。能力やスキル、そういうものもあるかもしれないけど、きっと能力やスキルはそれほど変わっていない。一番変わったものは「考え」だろう。
退職前は、自分でビジネスをするには、いい商品をつくってそれを広めることに注力すればいいと思っていた。しかし、蓋を開けてみれば、いい商品をつくって広めることなんて到底できなくて、お客さんとなってくれているのは、顔も名前も知った自分のまわりにいる方たちである。
声をかけてくれた方たちに、心から喜んでもらうには、相手の困りごとの先を想像する必要があるし、それはある意味で、相手が考える以上に相手のことを考えることである。
そしてやっぱり頭を悩ませるのは「報酬」である。自己犠牲になってしまっては仕事が続かない。しかし、対価以上の価値を提供し続けないと、次の仕事の依頼は来ない。自分のことだけを考えていては仕事はなくなるし、相手のことだけを考えても仕事が続けられない。自分を全体の一部として捉え、その全体が良くなるように考えなければならない。そうやって思考を練っていくことが自分を磨くことにつながっていると感じる。
個人事業とは究極の自分磨きなのだ。
まだ1年経っていないのに、わかったようなことは言えないけれど、この1年で少しは自分が磨かれたのかなと思う。変化していると感じているのはそのことだろう。
「おめでとう」を指標に
個人事業となると、売上に一喜一憂してしまいがちだ。売上が多い月はいいものの、少ない月は不安や焦り、恐怖心が強くなってしまう。個人事業が究極の自分磨きだとしたら、自己成長を測る指標として、売上ではない何かが欲しいところだ。
イチローは「打率ではなく、安打数に注目していた」という。その理由は、「打率に注目すると、打てなければ下がるので打席に入るのが怖くなるけど、安打数という積み上がるものに注目すると打席への恐怖心がなくなる」のだという。
さて、そう考えたとき、積み上がるものとしてまず考えるのは、「自分が人を喜ばせた数」である。しかし、本当に喜んだのかどうかは当人にしかわからないし、同じ人が喜んだ場合にはどう数えるのかという問題もある。
だったらいっそのこと「おめでとう」はどうか。自分が「おめでとう」と言った数はどうだろうか。
判定基準も明確で数えやすいし、1日のうちでそんなに多く口に出す言葉でもないこと。いまのぼくの仕事は、企業や個人のめざす世界の実現をお手伝いすることであり、それは自分のまわりに「おめでとう」を増やすことであること。そして、周囲の人の小さな成長を発見し、「おめでとう」と言える人になることや、目に見える成功や喜ばしい出来事に対しても、素直に「おめでとう」と言える自分でいることは、人としての成長とも言えること。
つまり、「おめでとう」を言えた数は自己成長の指標になりうると思うのだ。
積み重ねるもの
このコラムも今回で100回となりました。100というのは、なんとなく設定した目標であり、達成できたことは嬉しいけれど、その数もひとつひとつの積み重ねなんですよね。書き続けられるのは、読んでくれる方々がいるおかげです。本当に感謝します。
これからも「おめでとう」がたくさん言えるように、コツコツと積み重ねてやっていこうと思います。
まずはこのコラムの101回目の更新が目標ですね。
今週のいちまい
ブルーベリーを育てています。収穫はもう少し先ですかね。
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