浪人時代に読んだ短編物語がある。
数学のテキストの最後のページに書いてあった、イモムシの物語だ。
ある風の強い日、りんごを食べていたイモムシが、りんごと一緒に風に飛ばされて川に落ちた。りんごに乗り、流されながらイモムシは思った。
「あ~、ぼくはこのまま川に溺れて死んじゃうか、鳥に食べられて死んじゃうんだろうな」
イモムシは絶望した。
でも、次の瞬間またイモムシは思い直した。
「今日だけでも生きてみよう。1日だけでもなんとか生きのびてみよう」
そうしてイモムシは足元にあるりんごにかぶりついた。
そして数週間経ったあと、皮だけになったりんごの船から一匹の蝶が飛んでいった。
こんなお話だった。
最近の状況
先週から今週にかけて、なかなかにしんどい日々を過ごしている。コロナの後遺症のせいなのか、倦怠感が強くなかなか思うように動けない日が続いた。また、新しく入ったビジネスコミュニティで使う時間が増え、さらにありがたいことに新しいお仕事もいただけている。
体調が万全でないなか、新しい取り組みが2つ追加された。もちろんこれは自分で選んだ状況であり、自分で選んだのだから言い訳はできない。けれど、8月までと状況が大きく変わったいま、「自分にできるのか?」「期待に応えられるだろうか?」「乗り越えられるだろうか?」という不安で、夜中に眠りから覚めてしまう日が増えた。
今日だけ生きてみよう
こういう、思ってもみなかった状況になったとき、先のことを考えると絶望的な気持ちになりやすい。「きっとうまくいかないだろう」「おれには無理かもしれない」「乗り越えられない」そう思ってしまいがちだ。
だからそんなときこそ、先のことは考えないほうがいいのだろう。今の自分には対処できないと思えるような大きく重たい課題が目の前に現れたとき、もう半分諦めて目の前のことをやっていくしかない。先のことは考えず、今日一日を乗り越えることだけに集中する。明日のことや、ましてや1ヶ月後のことなんて頭の中から追い出し、今日という日をどう生きるかだけを考える。そうやって、1日1日を積み重ねていく。それでダメだったら、もうしょうがないのだ。
絶望とは未来を考えるから陥るものだ。絶望しそうな状況になったら、今日生きることだけに集中するしかないのだ。
いま必要なもの
浪人時代、受験のことを考えると、とにかく不安だった。受験までの道のりを思うと絶望しそうになった。でもあのとき、どうにか毎日勉強できたのは、あのイモムシの物語に勇気づけられたからだ。結局は、一日一日の積み重ねでしか、大きな課題は乗り越えられないのだろう。
いまの自分に必要なのは、またあの物語のイモムシのように、足元のりんごにかぶりついて今日という1日をなんとか生きることなんだろうな。
今週のいちまい
公園の木陰から空を見上げてみた。空は秋っぽくなってきましたね。
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