「営業」ということばがよくないのかもしれない。
今週、ある会社にアポイントを取り、訪問させてもらった。コミュニティで出会った社長さんで、ものづくりの会社を経営されている。ぼくも13年間ものづくりの業界で仕事をしており、なにか役に立てることがないかと思ったのだ。つまり、営業である。
一方、この2年の個人事業経験を経てぼくは、「できる営業マンは営業しない」ということを知識として知っている。営業されたい人は基本的にいない。ぼく自身も、せっかく仲良く話していたのに、急に商品紹介や勧誘を受け、興ざめしたことは何度もある。「仲良く話していたけど、結局それが目的なんだね」とがっかりし、その後は「どうやって断ろうか」を考えつつ相手の話を聞く。その時間が嫌なのだ。だから、営業するのはよろしくないのだと思っていた。
意識の方向
会社を訪問し、社長さんと話をした。いまやっている自分の仕事内容、ビジョンやミッションのこと。あるいは社長さんが質問してくださることに答え、生い立ちや学生の頃勉強していたことも話した。仕事に関係することも、プライベートなことも。
そうしているなか、その社長さんが、少し意を決した様子で聞いてきた。
「気を悪くするかもしれないけど、大谷さん、営業に苦手意識がない?」
ぼくは正直に答えた。
「自分が営業されるのが嫌なので、営業したくないという気持ちがあります」
「もっと営業していいんだよ。そうじゃないと、今日なんのために会ったのかわからなくなる。こっちは営業してほしくて話を聞いているのだから」
ハッとした。
そのときのぼくは、自分がどう思われるかを気にしていた。営業すると嫌がられると思っていた。だから営業すると嫌われると思っていた。嫌な顔をされる、それを怖れていた。つまり、ぼくは自分のことを考えていたのだ。営業しないという形だけを真似して、意識は自分に向けていたのだ。
ぼくが営業されるのが嫌だと思うのは、「こちらのことを考えてくれない」「自分のことしか考えていない」と思うからだ。そういう意味では、「営業しない」と形だけを真似して相手の気持ちを考えていなかった自分は、自分がされて嫌な営業をしていたようなものだということだ。
使うことばを変える
思い返してみれば、会社員のころ、商社の方が営業に訪ねて来ることがよくあった。そしてその営業は決して嫌ではなかった。
「こんな商品を扱っている会社があります。どこかで使えないですかね?」
「このような難しい加工ができる会社があります。加工で困っていることはありませんか?」
とパンフレットを持ってきて、紹介してくれていた。
もちろん、会社のお金と自分のお金という大きな違いはあるけれど、ビジネスにおいて、課題を解決するためにお金を払うことは当たり前なのだ。仕事は課題だらけだ。個人で働くぼくでさえお金を出してでも解決したいことはある。それが社長となれば、もっとたくさんの課題を感じているだろう。
「営業」とはいかにも自分のことしか考えていないというイメージがぼくのなかにある。自分のなかのこのイメージを変えるのはなかなか難しい。だったら営業ということばを使わなければいい。
商品を紹介しに行く
相談に乗りに行く
課題解決の協力者になりに行く
と思えばいいのだろう。相手に意識を向けるためには、相手に意識が向くことばを使えばいい。まずはことばから変えていくのがいいのだ。
人と会うと伸びしろがわかる
独立してよかったと思うことのひとつは、いろいろな人に会えることです。とくに会社勤めでは会えなかったであろう経営者の方々に直接会って話を聞けるのはいいですね。その人の考え方や人と接するときの姿勢に触れることで、自分の課題がよくわかるようになるからです。課題がわかればそれが自分の伸びしろになる。人と会うから自分の伸びしろに気づけるんですよね。
まだまだ伸びしろだらけですが、伸びるぶんだけ伸ばしていこうと思います。

今週のいちまい

タイムロックコンテナというものを買いました。設定した時間がくるまで開けられなくなるものです。家での仕事は誘惑が多いので意思力を外注します。
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